「やったー、勝ったぁ」「パリ、いくぞー」。バスケットボール男子W杯で日本代表の最終戦が2日、沖縄市で行われ、日本がカーボベルデに勝利し、48年ぶりとなる自力での五輪出場を決めた。東京・渋谷のスポーツバーには多くのバスケファンが集結。日本バスケの聖地・渋谷から大声を張り上げ、選手を後押しした。

富永が3ポイントを決めるたび「ウォー」と地鳴りのような歓声が響き、3本指マークが店内を埋め尽くした。

2000年に開業してサッカー日韓W杯からPVを開催している渋谷の桜坂「フィールズ」の田中守店主(68)は、日本の快勝を映し出すスクリーンを感慨深い表情で見つめた。「正直、男子バスケはどうなんだろうと感じていた。でも、W杯が始まってみたら日本代表は頑張るし、お客さんも盛り上がっているし」と話して「コロナを乗り越えて、人がお店の中で大声を出しているのがうれしいんだよ」と瞳を潤ませた。

大学までバスケ部だった身長193センチの福島凛(りん)さん(25)は日本で開催された06年世界選手権を8歳で観戦。「日本代表の試合じゃなかった。でも外国人の選手のぶつかり合う迫力がすごかった。バスケが大好きになった」と話し「日本代表の勝つ試合を見られるのはすごく楽しいですね」と拳を握りしめた。

高校時代のバスケ部員だった金子めぐみさん(33)はベネズエラ戦までの4試合を自宅で1人で観戦。毎回号泣したため「目のまわりが真っ黒になるからマスカラは塗ってこなかった。がっつり泣けた」と涙の止まらない目元をぬぐった。

天野訓義(のりよし)さん(65)伸子さん(65)夫婦と長女沙羅さん(34)長男恒佑(31)は家族全員で応援に駆け付けた。沙羅さんは「ウチの家族はもう17年日本代表を応援して中国、韓国、セルビアにも応援しにいった」と声のトーンをあげて「私、絶対来年パリに行く」と拳を突き上げた。「ニッポン、ニッポン、ニッポン…」。勝利のコールは止むことなく、どんどん大きくなっていった。【寺沢卓】