28日午後3時25分ごろ、福島県二本松市の「東北サファリパーク」から「男性職員がライオンのオリの中で倒れている」との119番通報があった。福島県警や安達地方広域行政組合消防本部によると、男性は50代。首など全身にかまれた痕と出血があり、福島市の病院に搬送されたが、午後4時48分、搬送先の病院で死亡が確認された。二本松署によると、男性は加藤健一さん(53)でバックヤードで動物の世話にあたる職員だった。加藤さんは事故当時、餌やりの作業にあたっていて、ライオンにかまれたとみられている。

東北サファリパークは28日、ホームページで「事故発生による臨時休園のお知らせ」を発表。「生体による事故が発生いたしました。二度とこのような事故が起こらぬよう安全管理対策が改善され、確かな安心を届けられるようになるまでしばらくの間、臨時休園とさせていただきます。」と休園の案内を掲載。再開のメドは示されていない。

東北サファリパークは1978年開園。運営会社は「東北サファリーパーク」で、姉妹園として、同社那須支店が運営する「那須サファリパーク」では22年1月に飼育員の男女3人がトラに襲われ負傷。この事故をめぐっては、県警が23年5月、那須サファリの支配人らを業務上過失傷害容疑で書類送検。大田原労働基準監督署も同月、親会社の東北サファリーパークと那須サファリパークの支配人らについて、労働安全衛生法違反容疑で書類送検していた。那須サファリでは22年の事故以前にも97年と00年にもライオンによる事故が起きていた。