今年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が2日、発表された。

将棋関連では、前人未到の記録を達成した藤井聡太八冠(21)に関連した「藤井八冠」「観る将」の2語が選ばれ、空前の将棋人気となった今年の世相を反映する形となった。その背景を解説する。

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藤井聡太(21)は10月11日、京都市で行われた第71期王座戦5番勝負第4局に勝ち、3勝1敗で王座を初めて奪取した。これまで保持していた竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖に王座が加わり、将棋界の8大タイトルをすべて制覇した。叡王がまだ創設されていなかった1996年(平8)に羽生善治現九段(52)が達成して以来、27年ぶりの快挙となった。

藤井は今年3月に棋王を獲得して史上最年少6冠、6月に名人も奪取し、谷川浩司現17世名人(61)が83年に達成した21歳1カ月の史上最年少名人の記録も40年ぶりに更新した上で、7冠となっていた。

そんな藤井をはじめ、各棋士の表情や、勝負メシ、おやつなどが今では動画配信や主催社のサイトで流される。単なる勝ち負けや指し手に注目するヘビーユーザーに対し、将棋の詳しい指し手は分からなくてもこれらを楽しみに観戦しているのが、「観る将」。いわば、ライトユーザーでもある。

今年6月、日本将棋連盟会長に就任した羽生九段もこの存在を重視しており、就任あいさつの中で「観る将が増えて、ファンの裾野が拡大された。今後は彼らに対するファンサービスもいろいろと考えていく」との方針を示している。【赤塚辰浩】

○…「新語・流行語大賞」トップ10と大賞は12月1日に発表される。

◆藤井八冠 将棋の藤井聡太八冠は今年、最年少名人、羽生善治九段以来2人目の7冠を経て、10月に前人未到の八冠を達成。驚異の進化を続けている。

◆観る将 藤井聡太八冠をはじめ、多くの棋士の活躍でネットやテレビなどで将棋を観戦して楽しむ人が急増。将棋人気を支えている。