プロ野球阪神タイガースの38年ぶり日本一決定から一夜明けた6日、大阪の街は祝福ムード一色となった。地元関西の百貨店や商店街などで一斉に優勝セールが始まり、阪神百貨店梅田本店(大阪市北区)には開店前に約2000人が並んだ。関西各地の駅の改札、大阪の街のど真ん中に、日本一を記念した特別装飾の「ホットスポット」が次々に誕生した。

大阪・梅田の複合ビルには、赤い文字で「覇」「日本一」と記された高さ約38メートルの黄金色の幕がお目見えした。通勤途中にスマートフォンで記念撮影した男性会社員(37)は「感無量です。生まれて初めての日本一。一夜明け喜びを実感している」と笑顔で話した。

阪神電鉄「大阪梅田駅」の東改札口にある階段の上には人があふれ返った。正面パネルに張り出された日本一の文字とともに「日本一記念ロゴマーク」。阪神ファンの会社員の男性(28)は「38年ぶりの“激レア”なので、家族みんなに送りました」。阪神沿線の「福島駅」など3駅には岡田彰布監督や選手の等身大パネルが設置された。男女、年齢問わず、“激写”する姿が見られた。

阪神百貨店梅田本店には開店前に約2000人が列を作り、開店時間を40分早めて、午前9時20分にオープンした。小森栄司本店長は「日本一は感動の一言。1985年の時とは時代が違うが、(売り上げは)限りなく近い数字を期待したい。熱気、楽しみたいという思いは前回を上回るのでは」と期待した。

兵庫県尼崎市の尼崎中央3丁目商店街は02年から「マジック点灯」の応援を始めてから、日本一を祝うのは初めて。日本シリーズ制覇に向けたマジックナンバーを「1」から「祝38年ぶり日本一」に張り替え、集まった人たちが球団歌「六甲おろし」を合唱した。同市の会社員(45)は「来年も頑張って」と早くも連覇へ期待を込めた。

一方、大阪・ミナミの道頓堀川にかかる戎橋には朝になっても、黄色や縦じまのユニホーム姿のファンがちらほら。大阪府警によると、戎橋近くの遊歩道から延べ37人が道頓堀川に飛び込んだが、けが人は確認されず、大きな混乱はなかったという。【松浦隆司】