自民党安倍派に所属する宮沢博行防衛副大臣は13日、国会内で報道陣の取材に応じ、安倍派のパーティーをめぐる政治資金問題をめぐり、派閥からキックバック分について政治資金収支報告書に記載しないように指示を受けていたや、口止めされていることを「暴露」した。

「派閥の方から、かつて収支報告書に記載しなくてよいという指示がありました」とした上で「はっきり申し上げます。(派閥からは)『しゃべるな、しゃべるな』と。これですよ」と、派閥側からの口止めの実態に怒りを含んだ言葉で触れた。「もう派閥から追い出されるかもしれませんけども、指示はございました」と繰り返した。

その憤りは誰に向けたものなのかと問われると「なかなか申し上げられない」とした上で、今回の問題を受けて安倍派所属の閣僚と副大臣が交代となることを念頭に「(防衛副大臣として)やり残したことがいっぱいある。仕事を中途半端のまま去らないといけないのは、政治家としてくやしい」とも述べた。

このタイミングで、さまざまなことを「暴露」したことについては「事務所における精査が終わったことと、副大臣人事はご存じの通り(安倍派議員は交代)の結果だ。一時の感情と言ってしまえばそうだが、その判断はないだろうという悔しい思いもある。もう国民に開示する時が来たと判断し、申し上げた」と述べ、安倍派の閣僚と副大臣を「一掃」する岸田文雄首相の方針にも悔しさをにじませた。副大臣の交代方針について、首相から「(直接の)説明はない」とも話した。

安倍派に対しては「しっかり貢献しないといけないという思いで(パーティー券の)販売を努力した。この結果には、私は何も申し上げることはない。派閥にお世話になっている感謝の気持ちは持ち続けたい」としながらも「今後、派閥に何を期待するのか、私には分からない」とも、口にした。