能登半島地震後に亡くなった人のうち、少なくとも100人の遺族が災害関連死の認定を石川県内の自治体に申請したことが10日、各市町への取材で分かった。県と市町は来週にも、関連死かどうかを判断する合同審査を始める。県は現時点で関連死「疑い」15人を含め、地震による死者を245人と公表しているが、審査結果次第で大幅に増加する可能性がある。

10日の県内全19市町への取材で、申請数は輪島市が53人、能登町が16人、七尾市が14人、志賀町が10人、穴水町が7人。大きな被害が出た珠洲市は直接死を含む災害弔慰金の申請を約70件としたが、関連死の申請数は明らかにしていない。相談も多く寄せられており、県内の最終的な申請数は、100人からさらに増えるとみられる。

県南部の小松市は相談を受けていると認めたが、申請の有無は公表していない。金沢市など12市町は申請がないとした。

県は8日時点で、輪島市、珠洲市、能登町の計15人を「関連死」として公表。関係者によると、市町の報告に基づき、避難中に体調が急変したケースなどを計上しているとみられる。ただ、審査が終わるまでは関連死の「疑い」にとどまり、15人全員が認定されるかどうかは確実ではない。

災害関連死は避難生活の疲労やストレスなどが影響して亡くなり、災害が原因と認められるものを指す。自殺も含まれ、認定されると直接死と同様、遺族に最大500万円の弔慰金が支給される。2016年の熊本地震では、熊本県での関連死が218人で、直接死の4倍超に上った。

能登半島地震では、住宅の被害判定などに追われ多忙な市町に代わり、県が審査の事務作業を担う。迅速な認定につなげ、市町ごとの判断のばらつきを防ぐ狙いがある。(共同)