木原誠二自民党幹事長代理の妻の元夫が、06年に東京都文京区の自宅で死亡した事案で、警視庁が事件性は認められないとする捜査結果を東京地検に書類送付したと報じられた件について、元夫の遺族が16日、日刊スポーツの取材に応じ「また期待を裏切られた」と心境を明かした。書類送付は15日付。

遺族は10月に容疑者は不詳として、殺人容疑で警視庁に告訴状を提出し、受理されていた。死亡したのは安田種雄さん(当時28)。安田さんの次姉は日刊スポーツの取材に「警察からは『事件性はないと送付した』とは聞いていないが、報道を見て知った。『詳しい話はできません』と聞いた」と語った。その上で「かなり驚いている。何で受理をしたのか。ふざけてんじゃないのか。期待して待っていたのにまた裏切られた」と憤った。

告訴状によると、安田さんは06年4月に自宅で首から血を流して倒れていた。肺にまで傷があり、ナイフが足元にあった。

警視庁は06年当初、司法解剖の結果、遺体から争った形跡がなかったことから自殺として判断した。警視庁はこれまで「18年に再捜査をした結果、自殺と考えて矛盾はない」としており、今年10月に告訴状を受理した際には「関係法令に従って適切に対処する」としていた。

しかし、捜査に関わった元捜査員が7月に記者会見し「自殺を認定する証拠がない。誰が見ても事件性はある」と反論した。安田さんの死亡をめぐっては警視庁が木原氏の妻から事情を聴いていたと週刊文春が報じている。