国民民主党は8日、柿沢未途氏(自民党を離党)の辞職に伴う衆院東京15区(江東区)の補欠選挙(4月16日告示、同28日投開票)で、ミス慶応ファイナリスト出身の元フリーアナウンサー、高橋茉莉(まり)氏(27)を公認候補として擁立すると発表した。

高橋氏は東京都出身。2016年ミス慶応ファイナリストで、ミス日本東地区代表の経験もある。大学時代にアナウンサー活動を始め、「セントフォース」に所属しながら約3年間フリーアナとして活動。外資系ITコンサル企業にも勤務した。

国会内で玉木雄一郎代表とともに会見した高橋氏は「私の人生はとてもお金に困ってきた人生。父親の倒産に始まり生活保護を経験した時期があり、現在もも1000万近い奨学金(返済)を背負いながら、79歳の両親の面倒を見ている」とした上で「まじめに勉強を頑張ってきたのに、物価と税金は上がり、賃金は上がらず生活は苦しいのはおかしいと、心から思った。生きるために、お金に困らない、安心して暮らせる社会を実現したいと、政治を志すようになった」と述べた。

また「(自民党の)裏金問題には一般市民、いち国民として怒りがある。政治活動を始めるにあたり、クリーンな政治活動、清く、正しく、美しくをモットーにしたい。江東区の混乱を一掃し、若い力で日本の未来を変えていきたい」とも訴えた。

政策に「人づくりこそ国づくり」を掲げる国民民主党の方針や、若い世代を応援する経済政策に共鳴し、同党からの出馬を決めたという。初めて政治を志したのは昨年の誕生日(11月12日)とも明かし「奨学金の負担軽減と債務免除」「政治資金のデジタル化やクリーンな政治」など5つの政策を掲げた。

玉木代表は「奨学金の返済に困る若者がいる中、政界ではぬれ手にあわで何千万円のお金が動き、脱税まがいのことが行われているということで決意に至ったと聞いている」と述べた。「厳しい選挙区であることは本人にも伝えたが、本人が決断したので、党を挙げて候補者として決定した」と述べた。

同区補選では、日本維新の会が金沢結衣氏(33)を擁立しており、ほかの野党の動き次第では、野党の票がさらに票が分散する可能性もある。玉木氏は現時点で4月に予定される3つの衆院補選のうち、国民の擁立予定は東京15区のみとした上で、まだ候補擁立に至っていない立憲民主党にはすでに選挙協力を申し入れたと明かした。「わが党を代表する象徴として、東京15区で戦おうと決めた」と強調した。