将棋の藤井聡太叡王(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=21)が同学年の伊藤匠(たくみ)七段(21)の挑戦を受ける、第9期叡王戦5番勝負第1局が7日、愛知県名古屋市の老舗料亭「か茂免」で行われる。両者のタイトル戦は3月の棋王戦に続き、3度目となる。藤井は叡王4連覇、伊藤はタイトル初奪取を狙う。

開幕の舞台は創業約100年の「か茂免」。庭園の桜はほば満開だ。決戦前日の6日、両対局者は現地入りし、検分などの行事をこなした後、会見に応じた。

地元・愛知での新年度初戦に藤井は「3月中旬の棋王戦第4局から少し間隔もあいたので、心機一転で頑張りたい」。同学年対決に「着実に力をつけておられる。こちらもより工夫していかなければいけない」と警戒した。昨年9月の王座戦から、タイトル戦は持将棋(引き分け)を挟んで14連勝中。故大山康晴15世名人のタイトル戦17連勝の歴代1位記録も視野に入る。

「か茂免」の名物はすっぽん仕立てのスープにきしめんが入っている「ぽんきし」。過去2度行われたが「か茂免」での叡王戦では、藤井はいずれも「ぽんきし」を注文している。験の良い“スッポンパワー”の3連投に「まだメニューをみていないので、これから考えたいと思います」と笑顔で話した。

対藤井戦は過去11戦し、白星はないが、伊藤は「今回は純粋に良い将棋をお見せできるようにしたい思いが強い」と自然体を強調した。「か茂免」での対局は初めてだが、勝負メシについて「過去に出されたメニューはリサーチしてきた」とニヤリ。同学年の2人の「パワー」がぶつかる。【松浦隆司】

<第9期叡王戦5番勝負の日程>

▼第1局 4月7日 名古屋市「か茂免」

▼第2局 同20日 石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」

▼第3局 5月2日 名古屋市「名古屋東急ホテル」

▼第4局 同31日 千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」

▼第5局 6月20日 山梨県甲府市「常磐ホテル」