岸田文雄首相は11日午前(日本時間12日未明)、米連邦議会の上下両院合同会議で英語で演説し、前日の公式夕食会に続いてジョークを連発した。議会側の温かい拍手に「日本ではまず、ありません」と述べるなど、帰国後に確実に与野党から突っ込まれそうな言葉も、笑顔で口にした。

首相は、席に着いた議長やハリス副大統領、議員の拍手に謝意を示し「みなさま、ありがとうございます。日本の国会では、こんなにすてきな拍手を受けることは、まずありません」と述べニカッと笑い、議場内を笑いに包んだ。

続けて「妻の裕子をご紹介します」と、演説を見守った裕子夫人のほうを指して紹介し「私が裕子と結婚したということをもって、私の決断がすべて正しいものだと信用いただけるのではないでしょうか」と、のろけまじりに口にした。

岸田首相は、父の仕事の関係で小学生のころニューヨークで過ごしている。演説ではその時の経験にも触れ「幼少期からずっと、米国とのつながりを感じてきた。小学校の最初の3年間を、ニューヨークのクイーンズにある公立小学校で過ごしたからでしょう。日本人は私1人でしたが、同級生は私を受け入れてくれ、そのおかげで新たな文化に溶け込むことができた」と述べた。「1963年の秋から数年間、米国人と同じような生活を送った。父は職場のマンハッタンまで地下鉄で通い、私たちは、メッツやヤンキースを応援していた」と、ニューヨークが地元のメジャーリーグのチームに触れると、大きな歓声が起きた。「コニーアイランドでホットドッグをほおばり、休日はナイアガラの滝やワシントンにも出かけた」とも話した。

その上で「日本の少年にとって、もの珍しく面白かったアニメ」として「フリントストーン(日本では「原始家族フリントストーン」として放送)」を挙げ「今でもあの番組を懐かしく思い出す。ただ『ヤバダバドゥー』の意味を日本語訳することはできませんでした」と、番組に登場するかけ声のようなセリフにも触れ、ここでも爆笑を誘った。