東京都江東区の大久保朋果区長は23日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、同区が地盤の東京15区で行われている衆院補欠選挙(28日投開票)で、特定の候補者や陣営による他陣営の妨害活動を念頭に置いた声明を発表した。

「江東区長として、区民の皆さんの安全確保を深川、城東、湾岸警察署にお願いしています。東京都、警視庁とも連携しています。江東区の安全を守りたい。強く思っています」と投稿した。区長としての声明は極めて異例。

東京15区補選では、無所属の乙武洋匡氏や立憲民主党の酒井菜摘氏、日本維新の会の金沢結衣氏ら複数の陣営に対し、特定の候補者や陣営が大音量でヤジを飛ばしたり、選挙カーを近づけたりするなどの行為を行っている。4月21日夜には、乙武氏の街頭演説会場で陣営関係者が男に突き飛ばされ、警視庁が暴行容疑で男を現行犯逮捕する事態が起きたほか、乙武氏の応援に入っていた東京都大田区の荻野稔区議が、補選に出馬しているつばさの党の根本良輔氏に引き倒される様子の動画をXに投稿。「選挙の姿か?これが」と怒りをあらわにした。

乙武氏は22日、選挙での自由が認められている「候補者」が一定以上の妨害を行ったりした場合、現行犯逮捕を含む適正で迅速な刑法の適用ができるよう、公選法の「選挙の自由妨害罪」の改正を、選挙公約に追加すると表明した。

立民の蓮舫参院議員も22日にXで、街頭演説中に選挙カーの窓をたたかれ、暴言を吐かれ動画を撮られたとして「警察の対応が遅くて怖かったです。でも、負けない」と報告している。

同補選には、NHKから国民を守る党の新人で弁護士の福永活也氏、参政党の新人で看護師の吉川里奈氏、無所属の元衆院議員、秋元司氏、日本保守党の新人で大学客員教授の飯山陽氏、無所属の前参院議員、須藤元気氏も立候補している。