女性問題を理由に衆院議員を辞職した宮沢博行前衆院議員は28日、静岡県袋井市内で辞職後初めて報道陣の取材に応じ、辞職の理由などについて語った。

宮沢氏をめぐっては「パパ活」疑惑などの不倫問題、女性問題を25日発売の「週刊文春」が報道。発売に先立つ23日、宮沢氏は「一身上の都合」を理由に衆院議長あてに議員辞職を提出。所属していた自民党を離党し、25日の衆院本会議で辞職が許可された。文春報道によると宮沢氏は妻とは別の女性と金銭援助を伴う同居をしていたとされる。

宮沢氏はこの日、地元(静岡3区)の袋井市の施設で行われた支援者との会合に出席して、冒頭で今回の問題を謝罪。その後、報道陣の取材に応じた。

辞職の理由について、自身の女性問題が、新型コロナの緊急事態宣言下に重なることに触れ、過去にコロナ禍の銀座クラブ通いを理由に自民党議員3人が離党勧告を受けたことを念頭に「過去の事例に照らしても、離党に相当するものだと自分の中で決断した」と述べた。前回は小選挙区で落選し比例復活しており、「私は比例代表の身でございますので、離党する場合は議席を党にお返ししないといけないと考え辞職の決断をした」と明かした。

一方、自民党安倍派所属だった宮沢氏は、安倍派の派閥パーティー裏金事件をめぐり、派閥からキックバックを受け、132万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが明らかになっている。この裏金が女性関係の不祥事に「流用」されたのではないかとの疑惑があることについて、「流用の疑念は当然生じるが、絶対にそんなことはない。秘書に渡して管理していた」と否定し「そう見られるのも世の常だ。そうではないということを、職を辞することで訴えたい」などと述べた。

宮沢氏は、派閥の裏金問題をめぐり「(派閥から)『しゃべるな、しゃべるな』。これですよ」と、派閥の「口止め」を暴露し、話題になった。また、今回の問題では、メディアに「パパ活などの事実を認めるのか」と直撃され「記事を確認しておらず何とも言うことはできませんが、不祥事があったことは自覚をしております」「記憶にございます」と発言。「記憶にございます」は早くも今年の流行語大賞に推す声が出ている。