将棋の藤井聡太叡王(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=21)が同学年の伊藤匠(たくみ)七段(21)の挑戦を受ける、第9期叡王戦5番勝負第3局が2日、名古屋市の「名古屋東急ホテル」で行われ、後手の伊藤が藤井を破り、シリーズ対戦成績を2勝1敗とし、タイトル初奪取にあと1勝とした。

伊藤が、「藤井にタイトル戦で初めて連勝してかど番に追い込んだ男」になった。双方1手60秒未満で指さなければならない、1分将棋の息詰まる終盤戦。盤だけ見つめて集中する。別の指し手ならトン死という、綱渡りの選択を乗り切った。「負けがありそうな気がしていた。秒読みになったあたりで、こちらに手段がありそうな気がした」。手探りの末、勝利をつかんだ。「(次に向け)しっかり振り返って臨みたいと思います」。竜王戦と棋王戦で歯が立たなかった同学年の8冠から初タイトルを獲得するチャンスがきた。