連載「鳥海高太朗の静岡深掘り」第3回のテーマは、「静岡県内で初めて導入された熱海市の宿泊税」です。月2回の連載で、航空・旅行アナリスト鳥海高太朗氏(46)が、静岡に関する身近な話題を分かりやすく解説。お得な情報もお伝えします。
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静岡県内では、4月1日に初めて熱海市で宿泊税が導入された。同市内の宿泊施設に泊まる場合、1人1泊につき200円の徴収が始まった(小学生以下や修学旅行などは免除)。
熱海市の発表によると、情報発信や旅行者の受け入れ環境整備などの観光振興に充てることが目的。具体的には、熱海海上花火大会などのイベント開催や無料Wi-Fiの整備などに活用する予定だ。すでに導入している京都市は1人1泊につき、宿泊金額に応じて、200円、500円、1000円の3段階。26年3月からは200円、400円、1000円、4000円、1万円の5段階となり、1人1泊10万円以上の宿泊料金の場合は1万円が徴収される。熱海市は一律200円と高額ではないが、年間で7億円の税収が見込まれている。
一方で宿泊施設側にとっては実質的な値上げとなる。市が代理徴収するのであれば、しっかり観光のために活用してほしいと思うのも当然である。
今、自治体が観光客から徴収している税金の中で、最も明確に使い道を明らかにしているのが、世界文化遺産の宮島・厳島神社がある広島県廿日市市。宿泊税と少し異なるが、宮島を訪問する観光客からフェリー代とともに「宮島訪問税」という名称で100円を徴収している。同市では、まず島内にあるトイレを気持ちよく清潔に利用できるように維持及び管理をする運営コストに充てるほか、観光客のゴミ処理にも使われている。
さらにフェリーの早朝夜間便の運航を支援。地域住民にとってもメリットがある使い方をしている。熱海市においても、観光政策に加えて、生活している地域住民にもメリットがある使い道をもっと明確にすることが求められるだろう。
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熱海の風物詩にもなった熱海海上花火大会。次回の開催は5月31日(土)となる。午後8時20分~同40分までの20分間なので、熱海市内でスイーツや少し早めの夕食を楽しんでから花火大会へ向かう人も多い。花火鑑賞だけなら、静岡市内を午後6時過ぎの新幹線で出て向かっても間に合う。
横に広がって打ち上げられる海上花火であることが特徴で、熱海市内の多くの場所から見ることができる。最も気軽に見ることができる場所がサンビーチ海水浴場だ。JR熱海駅から徒歩約15分。帰りは駅までの道のりが上りになるが、運が良ければ路線バスで移動することもできる。
終了後は大混雑となり、JR熱海駅で入場制限が行われることもある。宿泊しない場合は、花火が終わったらすぐ駅へ戻った方がいい。宿泊する場合、ホテルニューアカオのテラスなど、熱海湾が一望できるホテルからの鑑賞もおすすめだ。
5月31日以降は、7月25日(金)、8月5日(火)、8日(金)、18日(月)、25日(月)、9月15日(祝)、10月13日(祝)、11月3日(祝)、12月7日(日)に開催予定。
◆鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)1978年(昭53)7月17日、千葉県生まれ。成城大卒。航空・旅行アナリスト、帝京大学理工学部非常勤講師。航空会社のマーケティング戦略を主研究に、自らも国内外を巡りながら体験談を中心に各種雑誌・経済誌などで執筆している。静岡第一テレビ「every.しずおか」のコメンテーターとして静岡県内も精力的に取材している。

