JR五能線を旅してきた。秋田・東能代駅から青森・川部駅までの日本海沿岸147・2キロを結ぶ。来年で全通90年を迎える。
車窓から見える千畳敷をはじめとする荒々しい岩浜、日本海に沈む夕日、映えスポットなど、まだまだ知られていない観光要素もいっぱいある。秋田駅始発の観光列車「リゾートしらかみ」に乗車。途中駅での立ち寄りもしながら、秋田・青森ウエストコーストを弘前市へと向かった。
リゾートしらかみは1997年(平9)、秋田新幹線「こまち」の開業に伴い登場した。車両は「橅(ぶな)」「青池」「くまげら」の3タイプある。いずれも4両編成で2号車にボックス席があり、残りは普通車指定席。現在1日につき秋田~青森間が2往復、秋田~弘前間が1往復運行されている。秋田新幹線だけではなく、東北新幹線「はやぶさ」の新青森駅から乗り換えられる。意外と知られてはいないが、利便性は高い。
気動車(ディーゼル車)を改造して快適な空間とし、途中で長時間停車する駅もあり、さまざまな体験も楽しめる。単なる移動手段ではなく、列車に乗ること自体を目当てにしたり、目的地での体験型観光を提案するという側面もある。
リゾートしらかみの前身は、90年から96年まであった「ノスタルジック・ビュートレイン」。旧国鉄の分割民営化以降、JR北海道が力を入れてきた「トマムサホロエクスプレス」などの「ジョイフルトレイン」と相前後して、JR東日本でも投入された。
今やJR九州「或る列車」「指宿のたまて箱」、JR四国「伊予灘ものがたり」をはじめ、私鉄でもいろいろな観光列車を走らせている。リゾートしらかみは、その草分け的な存在と言っていいだろう。

