弁護士の猿田佐世氏は17日、月曜コメンテーターを務めるテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。台湾有事は、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると国会で答弁し、批判されている高市早苗首相に対し、「自分が言ったことにどういう影響があるかを見極めた発言を、慎重に、影響力がある人は発言していただきたい」と、苦言まじりに指摘した。

高市首相は今月7日の衆院予算委員会で、民主党政権時代に外相を務めた立憲民主党の岡田克也元幹事長から、「どういう場合に存立危機事態になるか」と問われ、答弁した。中国側は激しく反発し、金杉憲治駐中国大使を呼び出して答弁の撤回を求めたほか、中国外務省は日本への当面の渡航を控えるよう自国民に注意喚起を始めた、また、薛剣駐大阪総領事は、高市首相の答弁を受けてX(ツイッター)に、「汚い首を斬ってやる」などと投稿。これに対し、日本では、薛剣氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(外交上のこましくない人物)」として国外退去を求める声も出るなど、両国の緊張関係が続いている。

番組では、15、16両日に行われたANN世論調査の結果を報道。台湾をめぐり中国と米国の間で武力衝突が起きた場合、日本が巻き込まれる恐れがあると思うかの質問に、「ある」と答えた人が77%で、「ない」が14%だった一方で、日本が集団的自衛権に基づいて武力行使に踏み切ることについて「必要だ」と答えた人が33%で、「必要ない」と答えた人が48%だったと伝えた。

猿田氏は「中国の反応もかなり過剰なものもあると思うので、そこは一定、クールダウンをしていただきたいと切に願うとともに、私たち日本の方もまた過剰な反応をするようなことになってしまうと本当に緊張が高まる一方なので、日本も冷静にクールダウンする必要があると思う」と述べ、日中双方に冷静な対応が必要との認識を示した。

その上で、「やはり、首相をはじめ影響力がある方は、ご自身の発言をした後、あるいは何かの政策をとった後、どういう影響があるのかとしっかり見極めた上で、発言なり、政策なりをつくっていただきたいと思っている」と述べた。

世論調査の結果を念頭に「たとえば台湾有事とか、有事ということは、よく分かりづらいし、集団的自衛権ってどのくらいの方が(正確に)分かっていて答えていらっしゃるかも分からないですが、台湾で起きる中国相手の戦争に日本が自衛隊を派遣して参戦するということ。そうすれば当然、日本の国土が戦場になるようなは反撃も受ける」と主張。「そういったことにつながるようなものなんだよということで、ちゃんと自分が言った後に、どういう影響があるのかを見極めた発言を、慎重に、影響力がある人はしていただきたいと思っています」と、クギを刺した。