超党派の「野球の未来を考える議員連盟」は17日、国会内で臨時総会を開き、第1回の会合にも出席したソフトバンク球団会長で、一般財団法人「球心会」代表CEOを務める王貞治氏と、元日本ハム監督で副代表の栗山英樹氏が、今後の野球界への提言について講演した。栗山氏が国会の議員会館を訪れるのは初めて。

司会を務め、社会人の東芝をへて栗山氏と同じヤクルトで活躍した日本維新の会の青島健太参院議員は「日本のみならず世界中がサッカーで沸いている時に、あえて野球をぶつける、その意図をまずおくみ取りいただきたい」とこの日の会合の意義を強調。栗山氏を「日本代表監督としては森保(一)監督と盟友という関係性」と紹介しながら「サッカーのことも恐らく気になっているかと思いますが、栗さん、今は野球に集中してください」と呼び掛ける場面もあった。

球心会の活動やその意義を訴えた王氏に続き、マイクを握った栗山氏は、世界一を成し遂げた2023年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を振り返り「なぜ勝てたか。非常に政治と絡みがあった」と明かした。東京ドームで行われた韓国戦で、始球式に当時の岸田文雄首相が登場し、自身が受ける側だったことに触れ、「久々にふわふわしていた。まわりのみんなが『(岸田氏は)野球選手だったからすごい球が来るぞ』『確実に捕ってください』と言われて、すごく緊張していた。『逃したら世界一になれません』と言われて」と振り返り、議連の最高顧問で、この日も出席していた岸田氏の始球式を回顧。「相当遠くの方に投げられ、猛ダッシュしてグローブで捕球し、それですごく心が落ち着きました」と述べ、「総理でもそういうミスをすることがあるんだと、あの時のかなりの点差が優勝につながったのではないか」と、岸田氏との始球式が世界一につながったと述べると、岸田氏も大笑いで応じた。

一方、栗山氏は「(プロ野球の)観客動員は増えているが逆に危機感がある」として、少子化や野球以外のスポーツの多様化、指導者の問題など、野球を取り巻く環境の厳しさに言及。ドジャース大谷翔平に触れながら「大谷翔平のように世界に通用する人材がたくさん出てくることで、子どもたちや一般の方々、女性が(きれいになった球場に)非常に来やすくなっている。(観客動員増は)決して野獣の本質が上がっているということではない。今、手を入れないと大きな問題になっていくと思う」と指摘。「野球をやる場所をどうしたらいいのか、どう広げたらいいのか、指導者の大きな協力の問題」が存在しているとも訴えた。

「お伝えしていいのか分からないが、もし本当に野球の面白さを伝えるには、エクスパンション(拡大)ではないか」とも主張。「このまま野球が小さくなっていくなら、いろんな地域に新しいチームができると、本当に大きな活性化になる。そういったものにできれば向かっていきたい」と、チーム数を増やす構想にも言及。「(王)会長は16チームにするんだというように言われているが、僕の中で20チームくらいできないかというものがある」と持論を披露。「先生方にもお手伝いをいただきながら、いっしょになって地域活性化や子どもたちの将来に、野球が貢献していけないかと考えている」とも述べ、出席した多くの国会議員に協力を呼び掛けた。