将棋の第51期棋王戦コナミグループ杯5番勝負を制した藤井聡太棋王(竜王・名人・王位・棋聖・王将=23)の就位式が16日、東京都千代田区の「ホテルニューオータニ」で行われた。棋王戦初となる、2年連続同一カードとなった増田康宏八段(28)との今シリーズは、フルセットの末に3勝2敗で防衛し、4連覇を果たした。

開幕局(2月8日、松山市「道後温泉ふなや」)を落とし、第2局(同21日、金沢市「北國新聞会館」)で追いついたが、1勝1敗で迎えた第3局(3月、新潟市「新潟グランドホテル」)では終盤寄せ損ねて、かど番に追い込まれた。

かけ持ちしていた王将戦7番勝負も第4局を終えて永瀬拓矢九段に1勝3敗。「ダブルかど番」に立たされ、棋王戦とともにどちらも負ければ「ダブル失冠」「4冠後退」という最悪の事態を回避。王将戦は3連勝。棋王戦は第4局(3月15日、栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」)、最終第5局(同29日、鳥取市「有隣荘」)と連勝して、「ダブル逆転防衛」を達成した。

藤井は謝辞で、「今季の棋王戦はかど番に追い込まれる本当に苦しいシリーズでしたので、こうしてこの場に立てることは今まで以上にうれしく感じています」と素直に述べた。

第3局を終えて1勝2敗となった時点で、「増田八段の強さ、局面の急所を見抜く鋭さを感じる一方で、自分自身の判断の甘さを痛感する場面も多くありました」とした。かど番で迎えた第4局についても、「途中は苦戦を意識する場面もありましたが、粘り強く指すことができ、また終盤では強く踏み込んでいく手を選択することができました。当時はほかの棋戦も含めて成績や内容も振るわないという状況だったのですが、振り返ってみるとこの第4局を機に好転のきっかけをつかむことができたのではないかと感じています」と語った。

来期防衛して5期連続で獲得できれば、羽生善治九段、渡辺明九段に続いて3人目となる「永世棋王」の称号を得る。それを踏まえて最後に、「全体を振り返って技術面、精神面でも課題を感じたシリーズではありましたが、その一方で成長のきっかけもつかむことができたのではないかとも感じています。今期の経験を生かして、来期の5番勝負でより面白い将棋が指せるよう精進してまいります」と締めくくり、大きな拍手を浴びていた。