小泉進次郎防衛相は19日の参院予算委員会で、令和8年熊本地震に対する防衛省・自衛隊の給水支援や入浴支援、炊き出しに関するいのちの党の奥田芙美代議員の質問内容に、「自衛隊の名誉にかかわる」「(指摘は)事実とまったく異なる」として、強い調子で反論した。
高市早苗首相も、同様の質問に対し「求められていない支援を無理やりやれということでしょうか」などと述べ「(質問内容は)自衛隊の名誉にかかわることですよ」と、怒りに満ちた声色で指摘した。
奥田氏は、自衛隊の現地での給水支援や入浴支援が9月13日で終了したとする内容や、最終日の利用人数や実施箇所を記したフリップを自身の横に置いた上で、防衛省幹部に質問。幹部は、熊本県知事から災害派遣を受けた7月31日から撤収要請を受けた9月13日までの間、入浴支援を行ったこと、また地震発災翌日の7月29日から9月13日まで、給水支援活動も行ったとして、その内容について説明した。
奥田氏は、防衛省側の説明後、「何それ…」と述べ、「給水支援、お風呂の支援もやめちゃったんですか?現場の水は全然足りていない」などとして、「井戸水の復旧、水道水を引くのに100万円単位で自腹を切らされるおじいちゃん、おばあちゃんが多くいた」と主張し、高市首相に「自衛隊の給水支援、入浴支援の拡充をお願いできないでしょうか」と求めた。
高市首相が答弁しようとしたが、小泉氏が委員長に指名を受け答弁に立った。小泉氏は「ちょっと、自衛隊の名誉に関わりますので」とした上で、「今のは『何それ』と言いたいことが目的かもしれないが、自衛隊の災害派遣は自治体からの要請に基づいて行っている。自衛隊の災害派遣で行われている活動の撤収も、自治体の撤収要請に基づいて行われております」と、反論。「それを、あたかもそうではないかのように訴えるのは、やめていただきたい」と、奥田氏の主張に不信感をあらわにした。
一方、奥田氏は、「(政府の)サポート、支援が生ぬるい。このままでは本当に中小企業や個人事業主はこれからもっとバタバタ倒れる。自助、共助ではもたず、今は徹底的に財政出動して政府の公助が必要」だと持論を主張した上で、現地での炊き出しに言及。「最初は民間の炊き出しも多かったがそれも減った。市から弁当が出されるようになったが『凍っている』などの声」とし、今回の熊本地震での自衛隊の炊き出しについて防衛省に見解を求めた。
ここでも小泉氏が答弁に立ち「自衛隊の現場で活躍してくれた、熊本の震災に携わった隊員の士気にも関わるので申し上げる」と述べ、「自衛隊の災害派遣における具体的な任務内容も、自治体と調整した結果、要請があったものを行っている。つきましては、今回給食支援についての要請はありませんでした」と、炊き出しの要請はなかったと指摘。「先生はSNS上でも、『自衛隊の炊き出しの支援が行われていないことが判明』『熊本の被災地での自衛隊の炊き出しゼロ』などと、まるで自衛隊がやるべきことをやっていないかのような印象を与えるような発信をされていますが、それは事実とまったく異なります」と、ピシャリと指摘した。
防衛省の事務方も「給食支援については確かに要請はなかったが、『はくおう2』を活用した食事付きの宿泊支援などは実施しております」と、防衛省が借り上げ9月15日まで任務に当たった民間船舶での支援活動に触れた。
しかし、奥田氏は「はい、自衛隊の炊き出しはゼロということです」と持論を展開。与党席から疑問のやじが飛ぶ中、「印象操作のように言われるが、みんな忖度(そんたく)して(政府に)要請が出せないのではないか。総理の方から(自治体に)要請を出してくださいと言えばいい」と主張した。
これに対し、高市首相が答弁に立ち、「高市内閣は熊本地震発生以降、懸命に熊本県の支援に取り組んでいる」と主張。「自衛隊の任務は終了してください、というのは県側からあったので、速やかに撤収した。居座れということのご指摘でしょうか、それとも、求められていない支援を無理やりやれということでしょうか」と述べ、「これ(奥田氏の指摘)は、自衛隊の名誉にかかわりますよ」と、怒りがにじんだ声で答弁した。
奥田氏は「撤退していいのか、ご自身で(現地で)確認してください」と言い放ち、やりとりはかみ合わないままだった。

