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19世紀アメリカ写真黎明期の資料、カメラを多数展示中

《ボストン消防局長ウィリアム・バーニコートの肖像》ジョン・アダムス・ホイップル、1848年、ダゲレオタイプ
《ボストン消防局長ウィリアム・バーニコートの肖像》ジョン・アダムス・ホイップル、1848年、ダゲレオタイプ

 横浜市民ギャラリーあざみ野で、2月2日より24日まで、横浜市が所蔵する1万2000点もの膨大な写真やカメラ、関連資料の一部を展示する「横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展が開催されている。

 アメリカの写真黎明(れいめい)期と呼ばれる1830年代から1880年代頃の写真およびカメラ機材約300点を展示。1839年にアメリカの新聞で銀版写真に関する広告が出されてから、アメリカでは写真技術は飛躍的に向上した。おりしも時代は南北戦争、そして西部の開拓時代。まさに時代が写真を必要としたと言えるだろう。

南北戦争や西部開拓で急速に広まり、高まった写真技術

赤の囲みは当時の撮影が時間を要するため使用されていた首が動かないよう固定する器具。ほかは当時のカメラ
赤の囲みは当時の撮影が時間を要するため使用されていた首が動かないよう固定する器具。ほかは当時のカメラ

 銀版に映し出される精緻な写真から紙に映し出される比較的な安価な写真へ。それでも写真は人々にとって記念だった。南北戦争時代には制服を着る記念として、そして愛する者への思い出として、写真が活用された。

 そして西部開拓の時代には、アメリカの広い国土を映し出す資料として活用された。現代にも通じる「3D写真」の販売も行われていたのだから驚きだ。

 「19世紀、写真は非常に画期的な発見でした。これまで絵画や版画でしか表現されなかったものが新たに写真というメディアが生まれたのです。数十年で、新しいメディアがうさんくさいものではない、新しい事業として確立しているのです」と語るのは、横浜市民ギャラリーあざみ野の日比谷安希子さん。

 撮影に時間を要するため被写体を固定してスタジオ撮影した時代から、風景写真まで。黎明(れいめい)期のアメリカの写真の歴史は、数十年の間に大きな変貌を遂げた。現在のデジカメ、スマホに至るまでの「写真を撮ることへの想い」を感じるには、うってつけの企画だ。
詳しくはこちらからhttp://artazamino.jp/

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