元バスケットボールプレーヤーでNBAのサンアントニオ・スパーズで活躍した名選手、トニー・パーカー氏(39)が競走馬のオーナーとしてG1初制覇を果たした。

日本の桜花賞にあたるフランスの牝馬クラシック初戦、パーカー氏が共同所有するマンゴスチン(M・デルザングル、父ダークエンジェル)は好スタートから中団の外を追走。直線は激しい追い比べとなり、英1000ギニー覇者のカシェイに頭差で競り勝った。鞍上はジェラルド・モッセで勝ちタイムは1分35秒72。

白いジャケットに身を包んだパーカー氏はパドックで愛馬を出迎え、「メルシー(ありがとう)」の言葉を繰り返した。パーカー氏の馬主名義は「インフィニティ・ナイン・ホーセズ」(9頭の無限の馬)。自身が現役時につけた背番号「9」がモチーフになっており、勝負服の色も自身が所属し、4度のNBA王者に輝いたスパーズを連想させる白と黒で構成されている。

パーカー氏は「私たちにとって、とても大きな結果になりました。フランス競馬で大きなレースの1つを(オーナーになって)2世代目で勝つことができました。すべての人に感謝したいですし、彼女(マンゴスチン)のレース後の様子を見たいです。夢のようです」と喜びを語っている。マンゴスチンの通算成績は5戦4勝。昨年8月にドーヴィル競馬場でデビューし、3連勝でG3ミエスク賞を制覇。今年初戦となった4月のG3グロット賞で初黒星(3着)を喫していたが、見事に本番で勝利をおさめた。

マンゴスチンの母の半姉フロティラはクリストフ・ルメール騎手とのコンビで12年BCジュベナイルフィリーズターフを制し、13年のプールデッセデプーリッシュ(仏1000ギニー)も勝ったが、続く仏オークスは名牝トレヴ(13、14年に凱旋門賞連覇)相手に大敗した(8着)。管理するデルザングル師は仏オークス(G1、芝2100メートル、6月19日=シャンティイ)参戦に消極的。次走は英国のロイヤルアスコット開催で行われる3歳牝馬のマイルG1、コロネーションS(芝1590メートル、6月17日)が有力視されている。