皐月賞5着から逆転を狙うアスクビクターモア(牡3、田村)は美浦ウッドチップコースを単走で追い切られた。大きなフットワークだが、滑らかなコーナーリングで直線も最後まで躍動感たっぷり。時計は6ハロン82秒8-ラスト11秒3をマークした。

田村師は「前走後は山元トレセンで英気を養って、帰ってきてからもいつもどおりのルーティーンでやっています。昨年はヤンチャな面が目立ったけど、弥生賞からはコントロールも良くなって、皐月賞も穏やかだったし、今も馬は強い調教をすることをわかっているのに穏やか。素晴らしいですね。(馬体面は)すごく大きくなったわけではないけど、ストライドが大きくなりました。明らかに先週と違います。両前脚が出ている。精神的にも肉体的にも苦しいところがないし、あとは息をきちんと整えてあげれば大丈夫。時計を出し過ぎないように、そして、きちんと馬が満足するような負荷をかけるように時計の指示を出したけど、そのとおりにできている。今年に入ってから、私が理想とする調教ができています。(東京コースは)昨年はうまくいかなくて、引っ掛かるところもあったけど、今は左回りもキチッとまわってこられる。去年とは違う姿を見せられると思います。厩舎としてはやれることをすべてやってきたし、天気予報では(週末に)暑くなることもあるので、体調の変化が出ることもあるけど、しっかり管理をしてあげたいと思います」と話した。

ダービーへの思いを問われると、「(同じ年に生まれた)何千頭という馬からセレクトされた18頭の中に出させていただいて、このように会見までさせていただいて、光栄に思っています。出走馬の関係者は本当にこん身の仕上げできて、このレースにすべてをかけています。グラム単位で体重を増やしたり、絞ったり、どの陣営もそういう気持ちでやってくると思っている。ものすごい緊張感の中で仕事できることの幸せを感じていて、今年は(ダービー出走が)久しぶりでそれがよみがえってきて、ビクターモアがその時間を私たちにプレゼントしてくれて、楽しくて楽しくてしかたがないです。まずは無事に走ってほしいし、ジョッキーには楽しんでほしいし、走って帰ってきた馬に『よく頑張ったね』と声を掛けてあげたい。(結果が出れば)僕の人生でこれ以上はないと思います。本当に楽しみです」と声をふるわせた。