10番人気ウインマイティー(牝5、五十嵐)が、復活の重賞初勝利を挙げた。20年オークス3着後の不振を振り払うように、好位から鋭く抜け出して完勝。20年忘れな草賞以来、2年2カ月ぶりの白星をつかんだ。5戦ぶりにコンビを組んだ和田竜二騎手(44)は「一段上がった感じ」と評価した。

インの3番手という絶好位にウインマイティーはいた。だが、五十嵐師はひやひやとしていた。「馬群に入れてくれるなよ、と騎手に言っておいたけど押し込められる形になった」。それが杞憂(きゆう)に終わった。直線で前の馬の外に持ち出されると、鋭くスパート。一気に抜け出し勝負を決めた。「抜群の手応えで、これならと。早めに抜け出したが、最後までしっかりと走ってくれた」と和田竜騎手はたたえた。3歳時はオークスで3着に好走も、その後は不振に陥った。「秋華賞(9着)で不利を受けてから、他の馬を怖がるようになった」と師は振り返る。だからこそ馬群に入ることは心配だったが、結果的にトラウマを克服した。「余計にうれしい」と師はほほ笑んだ。

オークスなどでも騎乗した和田竜騎手は「3歳時は柔らかくていい馬だったけど今はかちっとした。これならメンバーが強くなっても」と成長を感じとる。ウインマイティーの第2章が幕を開けた。【岡本光男】