御年88歳のダレル・ウェイン・ルーカス調教師は今年のケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、4日=チャーチルダウンズ)にジャストスティール(牡)を送り出す。これまでに49頭を出走させ、88年ウイニングカラーズ、95年サンダーガルチ、96年グラインドストーン、99年カリズマティックで史上3位タイのケンタッキーダービー4勝を挙げている名伯楽。驚くべきは、この殿堂入りトレーナーが今も現役でポニー(誘導馬)にまたがり、厩舎の管理馬とともに馬場へ向かう姿を見られることだ。

ジャストスティールは2歳時に7戦し、ここまでメンバー最多キャリアの11戦。前走アーカンソーダービーはムース(バファート厩舎のため出走できず)の2着だった。先週日曜(28日)に4ハロン50秒40の時計を出しており、ここまで順調な調整が続いている。「すべてが順調にきていますし、元気いっぱいです。馬がハッピーな状態をキープさせる段階です。それに私も満足しています」とルーカス師。

同馬を共同所有するブライアン・コエーリョ氏は「この舞台に来ることができて、夢がかないましたし、あっという間でした」と馬の購入からケンタッキーダービー参戦までの過程を喜び、「膨大な知識のあるルーカス師と一緒に学びながら時間を過ごせる。ただ座って、話せるだけでなく、学ばせてもらえることが信じられません。素晴らしい体験をしています」と感謝を伝えている。

ルーカス師のケンタッキーダービー参戦は6年ぶり(18年ブラヴァーゾ6着以来)。勝利すれば25年ぶり5勝目となる。調教師の最年長勝利は14年カリフォルニアクロームのアート・シャーマン師の77歳(当時)、89年サンデーサイレンスのチャーリー・ウィッティンガム師の76歳(同)という記録があるが、それを大幅に更新することになる。