春のグランプリ宝塚記念(G1、芝2200メートル、26日=阪神)の最終追い切りが22日、東西トレセンで行われた。

今年サウジアラビアのネオムターフCを勝ち、2戦目のドバイシーマクラシックでも3着のオーソリティ(牡5、木村)は美浦ウッドで2頭併せ。内ナイトフローリック(古馬2勝クラス)相手に4馬身先行から併入。手応えは終始余裕で、帰国初戦を前に落ち着いてる。調教を見届けた木村哲也調教師(49)が共同会見に出席した。一問一答は以下の通り。

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-前走ドバイシマークラシックでは逃げて3着

木村師 着順は残念ですが、彼自身はタフな競馬をしていました。環境の変化がある中で、適応していく強さ、タフさには私も恐れ入りました。

-帰国後の様子を含めて中間は

木村師 3歳の頃から脚元に不安を抱えている馬。海外遠征中も細心の注意でやってきて、結果的に乗り越えてくれた。ドバイ後は脚の状態は気になるところでしたし、大きな問題なく来られた。いったんリラックスして遠征の疲れを取ったという感じです。

-1週前追い切りについて

木村師 併せ馬で長い距離をわりとハイペースで立ち回って、集中力と心肺機能的な部分に刺激を入れたいというところでした。

-最終追い切りについて

木村師 評価はいいですよ、いい追い切りができたと思います。

-昨年の天皇賞・春(10着)以来の阪神

木村師 輸送に関しては海外遠征もこなしてくれた。右回りに関しても、先だっての海外遠征の際、国内最終追い切りを栗東の右回りのウッドチップコースで行わざるを得なかった。ただそこでの動きは、キャリアハイじゃないかなと思えるくらいで、見ていた私もびっくりしました。そういう意味では今回右回りだからというネガティブな感じはありません。

-豪華メンバーについて

木村師 あんまりメンバーは見たくないというのは変わらないですね。

-序盤の先行争いは

木村師 逃げなければいけないとか、フロントポジションにいなければいけないという馬ではないと思っています。逃げ馬が多いとかは悩みどころではありません。

-ファンにメッセージを

木村師 彼にG1を取らせてあげたいと思っています。オーソリティのファンの皆さまには当日応援していただけたらと思います。

-最終追い切りで先行した意図は

木村師 先週の追い切りの段階で、オーソリティ自身にスタートして前に行くぞという気持ちの強さが十二分に感じられた。走りの質をこだわるなら、追いかけずに先行させて行くことが大事と判断して、今日の追い切りメニューになりました。

-走りの質には満足

木村師 僕は満足しています。右手前を最後にしっかり前に出したかったので。今日は右手前の質を最終的に高めていくことは大事にしたいと考えていました。昨日の左手前の走りに関しては高いレベルにありました。

-海外遠征前の国内最終追い切りで具体的に良かった点は

木村師 馬にものすごいエネルギーがあった。集中力が途切れることなく、直線で左手前に替えていた。集中力を維持して直線を走り抜くというは栗東ではしづらい。その中でやり抜いたので。

-有馬記念の敗因は右回り以外にもあった

木村師 あの時は本当にちゃんとした状態だったのかというのが脳裏にある。外枠でしたしね。最初のスタンド前の走りでこの馬の走りではなかった。右回りだけとは言えないと思う。

-海外遠征前の国内最終追い切りがキャリアハイだとしたら今回は

木村師 今日はまた別の趣旨があったので、僕の評価としては今日の動きは良かったと思いました。