夏の終わりに、気合の一発だ! 10番人気カラテ(牡6、辻野)が久々の2000メートルへの延長、トップハンデ57・5キロを乗り越え、重賞2勝目を挙げた。勝ち時計は1分58秒9。転厩前から手綱を握る菅原明良騎手(21=高木)のアクションに応えて中団から差し切り勝ち。夏競馬最後の重賞を豪快に締めくくった。

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オリャー!! カラテが菅原明騎手のゲキに応え、距離、トップハンデの壁をぶち壊した。好発から中団の内で息をひそめる。横一列の直線。荒れた内をわずかに避けた三分どころを突く。馬上の強烈なアクションとともに伸びる。最後は馬場のど真ん中を豪快に突き抜け、2着に1馬身3/4差。ゴール後に右拳を突き出した鞍上は「距離は持つと信じて乗らせていただきました。長く脚を使うのが良さなので、本当に素晴らしい走りをしてくれました」と白い歯をこぼした。

肌感覚は間違いじゃなかった。前所属の美浦・高橋祥厩舎が今年2月いっぱいで定年解散したことに伴い、栗東・辻野厩舎へ転厩。2000メートルで初勝利以降、マイルで重賞を含む5勝も、辻野師は「またがった時に、これはマイラーじゃないなと。オーナーにわがままを言わせてもらいました」と中距離挑戦を直訴。20年4月以来、2年4カ月ぶりの2000メートル戦に、雄大な馬体を存分に伸縮できる大箱の新潟を選び、一発回答を示した。

秋も気合が入る。美浦と栗東。400キロほど離れても、カラテの背中には菅原明騎手が乗り続ける。師が「明良くん以外の選択肢はないと思っていました」と言えば、鞍上も「初めて重賞を勝たせてくれて、本当に思い入れが一番あると言ってもおかしくない馬で、結果を出せてうれしく思います」と絆は揺るがない。今夏の新潟で戸崎騎手と並びトップタイの91鞍に騎乗。ホットな夏を駆け抜けた21歳の若武者と6歳馬が、秋も中距離路線をアツくする。【桑原幹久】

◆カラテ▽父 トゥザグローリー▽母 レディーノパンチ(フレンチデピュティ

)▽牡6▽馬主 小田切光▽調教師 辻野泰之(栗東)▽生産者 中地康弘(北海道新冠町)▽戦績 32戦7勝▽総収得賞金 2億1474万7000円▽馬名の由来 空手