仏ダービー、エクリプス賞を連勝中のヴァデニ(牡3、J・ルジェ、父チャーチル)が凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)に参戦する可能性が浮上してきた。5日、主戦を務めるクリストフ・スミヨン騎手がフランスの競馬専門チャンネル「エキディア」で語った。

同馬は今週末にアイルランドで行われる愛チャンピオンS(G1、芝2000メートル、9月10日=レパーズタウン)に出走予定。スミヨン騎手は「彼が愛チャンピオンSでいいレースをして、レース後に回復が良ければ、凱旋門賞に参戦するチャンスは大きい」とコメントしている。

アガカーン殿下が所有するヴァデニは仏ダービーを5馬身差で圧勝。古馬と初対戦になった英国のエクリプス賞ではフランス調教馬として62年ぶりの歴史的な勝利を挙げた。愛チャンピオンSは大本命と目されており、ミシュリフ、エイダン・オブライエン厩舎の素質馬ルクセンブルグ、同じフランスの3歳馬でパリ大賞覇者のオネストなどと激突する。

ヴァデニを管理するジャン・クロード・ルジェ師はヴァデニのエクリプスS勝利後、過去に管理し、16年に仏ダービー、英愛のチャンピオンSを連勝したアルマンゾルと同じ路線を歩ませる方針を発表。愛チャンピオンSの後は英チャンピオンS(G1、芝1990メートル、10月15日=アスコット)参戦が既定路線となっている。凱旋門賞参戦の可能性は小さいと思われてきただけに、参戦の可能性を示唆したスミヨン騎手の発言は気になるところだ。

ルジェ厩舎からはヴァデニと別のオーナーで、仏ダービー4着からG2ギョームドルナノ賞を制したアルハキーム(牡3、父シユーニ)が凱旋門賞参戦を予定している。大手ブックメーカーは凱旋門賞へ向けたヴァデニのオッズを10~15倍程度に設定している。