3連勝でクラシック路線へ! フリームファクシ(牡、須貝)がきさらぎ賞(G3、芝2000メートル、5日=中京)で春の大舞台へ弾みをつける。担当の山田助手に「とにかくいい馬」とうならせる素質馬。朝日杯FSを制した僚馬ドルチェモアと須貝厩舎の新たな2枚看板となるか。

底知れぬ素質に春先の栄冠がちらつく。「持っているものが違う。奥が深い」。担当の山田助手はフリームファクシをこう表現する。

1勝クラスの前走は、直線での右ステッキ1発だけで悠々と抜け出して快勝。道中では行きたがって頭を上げる場面もあったが、あれは有り余るスピードをレースのペースに落とし込んだものだという。まだ競馬を覚えている段階だが、危なげなく連勝しているところにその器の大きさがうかがえる。

ここまでの調整過程はいたって順調で、馬の精神面に注意を払いながらじっくりと調整を重ねる。「神経質なところがあるから、寄り添ってあげながら調教している。精神的にどしっとしてくれたらいいんだけど、それでも走れているからね」。中京芝2000メートルは前走と同じ舞台で、条件も馬場も不問だ。

山田助手は朝日杯FSを制した昨年の最優秀2歳牡馬ドルチェモアも担当している。同馬はマイル路線に進むが、どちらも現3歳世代の上位に位置しているのは間違いない。ゴールドシップやソダシなど、数々の名馬を送り出してきた須貝厩舎の新たな2枚看板へ。春のクラシックを占う一戦に、フリームファクシが満を持して挑む。【下村琴葉】

◆須貝厩舎の3歳勢 ドルチェモア(牡)は昨年の朝日杯FSを制覇。最優秀2歳牡馬に選出された。次走は5月7日東京のNHKマイルC(G1、芝1600メートル)への直行が予定されている。先週1月28日にはカルロヴェローチェ(牡)が白梅賞を勝利。他にも、21年セレクトセールにおいて2億6000万円(税抜き)で落札されたショウナンバシット(牡)など計6頭がすでにオープン入りしている。