3月から調教師に転身する福永祐一騎手(46)が4日、小倉競馬場での最後の騎乗を終え、セレモニーに臨んだ。

ウイナーズサークルでのインタビューは以下の通り。

-小倉での最終騎乗を終えて

福永騎手 このような機会を設けていただきまして、JRAの関係者の皆さま、そして最後まで残ってくださった競馬ファンの皆さま、そして最終騎乗を終えても残って、集まってくれた騎手の仲間たちには感謝しかないです。今日は豊さん(武豊騎手)と接戦が多くて、全部負けてしまったんですけど、すごく楽しかったです。豊さんの姿に憧れてこの世界に入ってきたところもあったので、最後の小倉の騎乗を一緒に乗れたということは非常にいい思い出になりました。

-小倉競馬場には、以前滞在していたこともある

福永 そうですね。デビューしてから10年ちょっとくらい、毎年夏の2カ月は北橋厩舎、瀬戸口厩舎の馬が全部滞在していたので、ずっと小倉の街で過ごしていました。若かったんでね。いろいろはしゃぎ回って、いろんな街で遊んでましたけど、今思い返してもいい思い出ばかりです。食べ物はおいしいし、人は優しいし、本当に小倉は僕にとって青春でした。すごくたくさんの思い出をいただきました。

-小倉競馬場は思い出が多い

福永 思い返したらキリがないくらい、たくさんの思い出がある競馬場です。まだ残りの騎手人生がありますし、振り返るにはまだ早いということで、自分の中でもまだ振り返る時間を設けてないですけど、それでも最終騎乗となるメインレースでのパドックの控室ではいろんなことが思い返されましたね。改修される前は全然違うパドックだったし、あの時はお客さんとの距離がもっと近くて、ローカルの良さというか、お客さんとの距離の近さが僕は大好きでした。

-まだまだ乗っていたいという気持ちもある

福永 そうですね。昨年の有馬記念の時も思いましたが、たくさんのお客さんが競馬場に入っているのを見るとね。やはりこういう場で勝って、たくさんの声援を浴びたいという思いはあります。コロナ禍もあったんでね、よりそう思うようになりました。お客さんで埋め尽くされたスタンドを見ると、後ろ髪を引かれる思いもあります。

-ファンにメッセージを

福永 今日は朝の1Rから多くの方々が来ていただきまして、ありがとうございました。1Rは豊さん(の4400勝達成)に花を添える形にはなっちゃいましたけど(笑い)、いいレースをお見せすることができたんじゃないかなと。負けはしましたけど、純粋にそう思いました。来ていただいた方に満足していただけたのではないかなと思います。幸運にも2つ勝つことができ、最後の小倉ということで、たくさんの騎乗依頼もいただきました。自分の都合でやめると言っておきながら、これだけたくさんの馬の依頼をいただいていることに改めて感謝の気持ちを持っています。先週の小倉は雪が降ってたんで大変だなと思ってたんですけど、暖かくて、おかげさまで豊さんともども、おじさんが躍動できる一日になったのかなと(笑い)。本当に今日は小倉に来て良かったです。

-残ってくれた騎手に向けて

福永 3月からは調教師になるということで、来年3月の開業に向けて準備が始まります。これからは騎手仲間という関係性から、依頼をする相手という形にはなりますけど、本当にJRAのジョッキーは真面目で、馬に対して真摯(しんし)で、世界に誇れるホースマンたちだと思います。より技術を研さんして、これからもっといいレースを皆さんに提供してくれると思いますので、立場は変わりますけど、一緒に日本の競馬を盛り上げていけたらと思います。