G1惜敗の雪辱を果たすために-。休養でパワーアップしたボルドグフーシュ(牡4、宮本)が、日曜の阪神大賞典(G2、芝3000メートル、19日、1着馬に天皇賞・春優先出走権)で重賞初勝利を狙う。昨年の菊花賞、有馬記念では2着と奮闘。天皇賞・春でのG1タイトル奪取へ、前哨戦から順調に歩を進める。

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G1タイトルが近くて遠い。菊花賞ではアスクビクターモアに鼻差、有馬記念ではイクイノックスに2馬身半差。ボルドグフーシュはここ2走、同世代のダービー3、2着馬に泣かされた。だが“幸せな英雄”はこんなところで屈しない。

大舞台で健闘した後は放牧で英気を養った。明け4歳の成長期、休養の効果は著しく表れた。以前はカイバを食べても馬体維持が精いっぱいだったが、最近は実になるようになってきたという。河村助手は「3歳の頃と比べると、腹回りがしっかりしてきた。内臓が強くなったんでしょうね」と実感する。

動きにも進境は見られた。8日の1週前追いには川田騎手が騎乗し、Cウッド6ハロン79秒9-11秒4の好時計。「昨年ほど人間が追わなくても、時計が出るようになったという印象」と同助手は話す。

昨春のクラシックには参戦できなかったが、秋に才能が開花。長丁場ではそのスタミナが光った。「タフな舞台には強い。速い上がりにも、スタミナがいる時計のかかる上がりにも対応できるのは強み」。3000メートルの今回も持ち前の持久力と末脚が武器になる。

意外なことに重賞は未勝利。目の前のG2、その先のG1タイトルへの思いは強くなる。「1回使っていい形で本番に向かうことができると思う。これからは右肩上がりでしょうね」。見据えるは春の盾。ここで1つ、勲章をつけておきたい。【下村琴葉】

◆前走有馬組が強い 過去5年の阪神大賞典を見ると、8頭が前走・有馬記念組。その成績は【2 2 0 4】で勝率25%、連対率50%と好相性を見せている。今年、登録している前走有馬組はジャスティンパレス、ディープボンド、ブレークアップ、ボルドグフーシュといずれも強力な4頭だ。