初勝利は、初重賞で。今年3月にデビューした佐藤翔馬騎手(18=小桧山)がダービー卿CT(G3、芝1600メートル、4月1日=中山)で重賞初騎乗を果たす。自厩舎のトーラスジェミニ(牡7)とのコンビ。佐藤騎手は「まずは先生とオーナーに感謝です。わくわくしています」と目を輝かせた。

未勝利の騎手が重賞に乗るのは異例中の異例。師匠の小桧山悟師(69)が柴原栄オーナーに頼み込み、騎乗が実現した。同師は「デビュー1カ月で重賞に乗った経験がプラスになってくれれば」と愛情いっぱいの親心をのぞかせる。孫と子ほど年の離れた師弟関係。来年2月に定年を迎える師は出来る限りの支援を弟子に続ける。

相棒は近走こそ不振でも、21年の七夕賞優勝馬。「前走と比較しても今回は状態が上がっていると思います。この馬の持ち味が生きるように前めで競馬がしたいです」と佐藤騎手。うそのような本当の結果を-。エープリルフールにルーキーが中山の声援を独り占めする。【松田直樹】