皐月賞(G1、芝2000メートル、16日=中山)は13日、枠順が確定した。

ただのG1挑戦ではない。メタルスピードを皐月賞に送り出す斎藤誠師(52)の目がそう訴えている。同馬の母マイビビアーヌも自身の管理した馬。素質を見込みながらも勝利することができず繁殖に上がったが、その子どもでクラシックに挑戦する資格を得た。悔しさをばねに世代争いに踏み入る。

「1戦1戦成長して感慨深いですよね」。師はメタルスピードを見つめ語る。馬名に恥じないスピードがありながら、もたれる面があり勝ち上がるまで5戦を要した。調教でもブリンカーを着けて走りを矯正。すると1勝クラスも突破し、スプリングSでは3着。大舞台のチケットを手にした。

皐月賞は開業2年目の07年に15番人気のサンツェッペリンで鼻差2着。厩舎初のG1挑戦でもあった。師は「あの馬が競馬関係者の子息でもない僕を有名にしてくれた」と回顧。厩舎ゆかりの血統、因縁のレース。この一戦に懸ける師の思いは強い。