宝塚記念(G1、芝2200メートル、25日=阪神)に向けて15日、1週前追い切りが行われた。

菊花賞馬アスクビクターモア(牡4、田村)は美浦ウッドを単走で力強く駆け抜けた。前日の雨で水分を含むチップを豪快に蹴り上げ、6ハロン82秒5-ラスト11秒4。見守った田村師は「馬場状態は良くなかったけど、直線で手前を替えて、いい動きでした。乗り手がオーバーラップにならないように気を付けながら、馬場の悪いところを踏まないように場所を選びながら、しっかり負荷をかけてくれたと思います」と納得の表情だ。

始動戦の日経賞で9着、前走の天皇賞・春は11着と結果は出ないが、「去年はいい思いをさせてもらったのだし、勝負事は負けることもあるんです。僕がグズグズ言う必要はない」とキッパリ。「日経賞のときに馬が嫌な思いをしてしまったので、ゲートはずっと練習しています。他の馬の間に入れるとか、難しい状況下も意識しながら週2回やっている。(宝塚記念の舞台は)阪神自体は勝っているし、心配な材料ではないです。ただ、強い馬がいる。イクイノックスには皐月賞とダービーで2回負けている。なんとか3回目で、ね。馬は高いレベルで成長してくれていますから」。反撃の準備は整ってきた。