認定NPO法人の引退馬協会が1日、「ナイスネイチャ・35歳のバースデードネーション」対象馬として、05年安田記念を制したアサクサデンエン(牡24)と、03年菊花賞を制したザッツザプレンティ(せん23)の2頭を受け入れることを、ホームページで発表した。

「バースデードネーション」とは、誰かへの誕生日プレゼントの代わりにその人が支援する団体に寄付をお願いするキャンペーン。ナイスネイチャは5月30日に死亡したが、17年から毎年4月16日の誕生日に合わせて、引退馬を生かすための社会的課題に取り組む寄付を募ってきた。支援額は17年19万8500円、18年67万7500円、19年108万7088円、20年176万3900円、21年3582万9730円、22年5412万7293円で、今年も7402万2066円を集めていた。

今年の支援(寄付)金については、重賞勝ち馬の繋養費用等として4320万円、繋養費安定化基金として2190万円、収納代行手数料等として890万円を充てることが、同ホームページで発表されていた。

アサクサデンエンとザッツザプレンティは現在、北海道南幌町の南幌ライディングパークで所有・繋養中という。乗馬クラブという環境にいるため、フォスターホースとしてふれあいイベント等を企画していく予定になっている。同ホームページでは「フォスターホースとして新たな馬生をスタートするアサクサデンエン、ザッツザプレンティの応援を、どうぞよろしくお願い申し上げます」と記されている。

◆フォスターホースとは サラブレッドの多くは経済動物として生産され、役目を終えると、そのほとんどが処分される。そんな馬を1頭でも多く生かすため、97年に引退馬協会の前身「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」が設立され、1頭の馬を多くの人で支える「フォスターペアレント制度」ができた。引退馬協会でも、同制度を引き継いで運営。同会所有馬を「フォスターホース」と呼び、フォスターペアレント会員を中心に、会費、JAIRS(ジャパン・スタンドブック・インターナショナル)の助成金、物品売り上げ、寄付などによってフォスターホースを支えている。