3冠か、新顔か-。北海道唯一のJRAダート重賞エルムS(G3、ダート1700メートル、6日=札幌)の追い切りが2日、各地で行われた。恒例「追い斬り激論」では北海道出張中の2人が対決。札幌の井上力心(よしきよ)記者は史上初「北海道ダート3冠」を狙うペプチドナイル(牡5、武英)を推し、函館の太田尚樹記者は初ダートの重賞4勝馬オーソリティ(牡6、木村)をプッシュした。

井上 先週のクイーンSは太田さんの◎ドゥーラと、僕の◎ウインピクシスでワンツーでしたね!

太田 俺は相手抜けや…。9番人気に◎で的中はお見事。今年の北海道は例年とは段違いに暑いけど、懐もホットになったやろ。

井上 今週も激アツですよ! 札幌ではペプチドナイルが良く見えました。

太田 大沼SとマリーンSを連勝して「ダート3冠」挑戦ね。でも01年に今のレース体系になってから誰も達成しとらん。中1週からの中3週はきついやろ。

井上 エルムSを大目標に逆算して調整してきて、ここ2戦は目いっぱい仕上げていない中での圧勝でした。追い切りはダートで5ハロン68秒8-12秒4。威圧感があるパワフルな動きで、武英師も「背中を上手に使えていましたし、マリーンSのときよりも動きはいい」と納得顔でした。

太田 勝つ時は強いけど、もろさも感じるんやわ。

井上 3走前からブリンカーを着け、富田騎手いわく「集中力が違うし、レースぶりに悪いところがなくなった」。前向きさも高まっています。調教では着用してなくてもいっさい気を抜かず、成績とともに精神面でも成長が見られます。

太田 俺はオーソリティに圧倒されたわ。ウッド5ハロン68秒1-12秒1でメイショウミズモ(古馬2勝クラス)に4馬身先着。迫力満点やった。毛づやも良くてブランクを感じさせん。阿部助手も「とにかく元気でフレッシュ。さすがにJC(21年2着)とかと比べると一枚落ちるけど、1年4カ月ぶりと考えるといい状態」と“合格点”の評価やった。

井上 札幌にいたルメール騎手にダート適性を聞いたら「分からないけど、大きくてパワフルな馬だからね」と前向きでした。それより僕はコース形態がどうかなと。小回りですし、右回りでは重賞未勝利です。

太田 函館のダートよりさらに小回りかつ右回りのウッドで、あれだけスムーズに動けとるからな。阿部助手も「以前は左回りの方が走る気があったけど、今日乗った感触は左回りに近かった。手前も替えてくれた。小回りも特段気にすることはないと思う」と。

井上 熱い戦いになりそうですね。楽しみです!

太田 アツくなりすぎて熱中症にならんようにな。