キーンランドC(G3、芝1200メートル、27日=札幌)の最終追い切りが23日、札幌、函館両競馬場で行われた。昨夏に函館スプリントSを勝っているナムラクレア(牝4、長谷川)は札幌芝コースの単走追いでパワフルな動きを見せた。前走はヴィクトリアMで8着。短距離戦へ戻り、大目標のスプリンターズS(G1、芝1200メートル、10月1日=中山)へ弾みをつける。

芝の塊が豪快に飛び散る。ナムラクレアがむっきむきの馬体を揺らし、札幌の芝コースを迫力たっぷりに駆けた。馬なりの単走で5ハロン66秒8-11秒4を計時。自ら手綱を握った長谷川師は「楽でしたね。さらっと気分よく状態を確認する程度。力みもないし、いい動きでした」と好感触を口にした。

大目標のG1取りへ、好ステップを踏む。スプリント路線へ本格専念した昨夏は賞金加算が至上命令。スプリンターズSまで函館SS1着→北九州記念3着と2戦を挟んだが、今年はキーンランドCの1戦のみで本番に余力を残す。「春はタフな競馬が続きましたが、疲れはしっかりと取れました。本番の前に1度たたきたかったので、間隔を考えてここを選びました」。

念には念を入れた。「長距離輸送するとナーバスになる面があるので、函館滞在を挟みました。先週は(浜中)ジョッキーも乗っていい追い切りができました」。週末は雨予報もあるが「スプリント戦ならどんな馬場でも、と思っています」。昨年函館で結果を出し、今年の高松宮記念(2着)で極悪馬場をこなしたように、パワーを要する洋芝も苦にしない。

久々のマイル戦となった前走は8着。生粋のマイラーたちに立ち向かい、充実ぶりをにじませた。「今の感じならマイルでもと思いましたが、強いメンバーの中でも頑張ってくれました。ここまで順調に来られましたし、いい状況で前哨戦に向かえますね」。今回は得意距離。内容、結果ともに納得の走りで、大舞台を目指す。【桑原幹久】