勢いは止まらない! 1番人気セラフィックコール(牡3、寺島)が無傷の5連勝で重賞初制覇を果たした。後方から勢いをつけて直線に向くと、上がり最速の豪脚を発揮して、後続に3馬身差をつけた。無敗でのJRA古馬重賞制覇は、史上6頭目。ダート界に新星が誕生した。

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セラフィックコールのスピードには、誰もあらがえなかった。4コーナーのムチ1発。気合を付けられると一気に加速し、上がり最速36秒1の豪脚で先行勢をあっさりと抜き去った。M・デムーロ騎手は「めちゃめちゃ強い。どんどんギアが上がって、すごい瞬発力を見せてくれた」と愛馬をたたえる。

スタート直後につまずいたが、少しずつ押し上げて中団で追走。向正面では行きっぷりが悪く、陣営をヒヤヒヤさせた。寺島師は「だいぶドキドキした」と振り返りつつ「外に出してからは、すごい伸びを見せてくれた」と能力を再認識した。

3日のJBCクラシックでは僚馬のキングズソードが勝利。師も「良かったです。2つともうまくいくとは」と驚く快進撃だ。3歳馬でまだまだ粗削りだが、それは伸びしろが十分にある裏返し。突如現れたダート界の新星。もっと上の大舞台でもその強さは通用するはずだ。【下村琴葉】

セラフィックコール▽父 ヘニーヒューズ▽母 シャンドランジュ(マンハッタンカフェ)▽牡3▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 寺島良(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 5戦5勝▽総収得賞金 8918万8000円▽馬名の由来 熾天使(してんし)の宣言。母名より連想