福永祐一調教師(47)が3月6日に厩舎開業を迎える。福永師は、新たに「ウマ娘」キャラクターに加わったラインクラフトの話題に触れた。

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福永師にとって、ラインクラフトは特別な1頭である。師匠である北橋修二元師と同様に「恩師」と慕っていた瀬戸口勉元師の管理馬。デビューから13戦全てでコンビを組み、05年桜花賞、NHKマイルCと“変則2冠”を達成した。

「最初はダートを使う予定でしたが、追い切りの動きが非常に良く、芝にしてもらいました。すごくスピードがあり、乗りやすく、オンオフの切り替えがしっかりしている馬でした。血統的にも、短距離向きの馬でしたね」

好位から抜け出したNHKマイルCは、師にとって特に印象深いという。

「桜花賞のダメージがなく、よりいい状態で使うことができたので、強い勝ち方ができました。一番パフォーマンスを発揮できたレースだったと思います」

そんな栄光から19年。ラインクラフトは、2月24日にゲーム配信3周年を迎えた「ウマ娘」に新たに加わり、競走馬の主戦騎手だった福永師は厩舎開業を目前に控える。「ウマ娘」について師は「すごく良く出来ていると思いますし、その馬のパーソナリティー、個性を良く勉強されているなと感じます。競走馬に対する愛情を感じました」と語る。師にとって思い入れの深い愛馬は「ウマ娘」を通して、さらに多くのファンの心に生き続ける。

◆ラインクラフト 2002年4月4日、ノーザンファーム生まれ。父エンドスウィープ、母マストビーラヴド(母の父サンデーサイレンス)。馬主は大沢繁昌。栗東・瀬戸口勉厩舎から04年10月デビュー。05年桜花賞、NHKマイルCを制しG1・2勝。通算13戦6勝。総獲得賞金5億563万円。