人馬一体で勝ち切った。2番人気ミアネーロ(林)が中団から抜け出し、重賞初挑戦で初制覇を果たした。勝ち時計は1分48秒0。

鞍上の津村明秀騎手(38)は2戦ぶりのコンビで結果を出し、日刊スポーツ賞中山金杯以来の今年JRA重賞2勝目。今後は状態を見ながら、オークス(G1、芝2400メートル、5月19日=東京)を目標にしていく方針だ。

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男の執念に、気心知れた牝馬が応えた。直線入り口、津村騎手がミアネーロを内ラチ沿いに導く。馬群へ猛然と突っ込み、残り100メートルで抜け出した。迫る2着馬を3/4馬身差振り払い、初タイトルを奪取。鞍上は息を整えぬまま「前走乗れずにまた手綱を託されたので、感謝とうれしい気持ちと絶対に勝ちたいという気持ちで臨みました」とマイクへ喜びをぶつけた。

アクシデントを味方につけた。返し馬で他馬が内ラチにぶつかり、コース点検のため発走が6分遅延。経験の浅い3歳牝馬同士。多分に漏れずミアネーロもテンションの制御が課題も「逆に落ち着いてくれましたね」と平常心を取り戻した。調教から入念に息を合わせたかいもあり「新馬の時から格段と良くなっていると思っていたので、自信を持っていきました」と能力を信じた。

タフな舞台で道を開いた。馬主の(有)シルクレーシング米本代表は「馬の状態を見てから正式に決まりますが、目標はオークスになるのかなという話はしています」と見据える。鞍上も「競馬での乗りやすさは本当に優秀。レース自体は自信を持っていけるので、この馬と大きいところを狙いたいですね」と大舞台へ夢をはせた。【桑原幹久】

 

◆ミアネーロ▽父 ドゥラメンテ▽母 ミスエーニョ(プルピット)▽牝3▽馬主 (有)シルクレーシング▽調教師 林徹(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 3戦2勝▽総獲得賞金 4669万7000円▽馬名の由来 私の憧れ(スペイン語)。母名より連想。

◆ミアネーロの母ミスエーニョ 09年の2歳時に4戦2勝で引退。2勝は米のG3、G1の重賞だった。13年ファシグティプトン社のノーベンバーセールにて、190万ドルでノーザンファームの吉田勝己代表が落札。その後、日本にやって来た。