歴史を変える。皐月賞(G1、芝2000メートル、14日=中山)の1週前追い切りが美浦トレセンで行われ、ホープフルS覇者レガレイラ(牝3、木村)が併せ馬で強烈な伸びを見せた。ウッドで6ハロン81秒3-10秒9。76年ぶりの牝馬皐月賞Vに向けて、視界良好だ。

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ラスト1ハロン10秒9。抑え気味でもレガレイラは脚を伸ばした。2馬身半先行したステルナティーア(古馬2勝クラス)を目標に馬なりで加速し、併入した。全体時計は6ハロン81秒3。楽に加速するのが、牡馬相手にG1を勝った名牝の脚力だ。手綱を取った北村宏騎手は「初めてで比較はできないけど、お互いに取り組む中で狙い通りにできた印象。脚の回転がいい馬」と能力を感じ取った。

牡馬相手のG1連勝で、大きく歴史を動かす。牝馬による皐月賞Vは47年トキツカゼ、48年ヒデヒカリの2例のみ。平成を飛び越し、昭和の偉業に並べる手応えだ。併走馬に騎乗していた楠助手は「思っていたより速いラップでしたが、引き揚げてケロッとしていました」と心肺能力の高さを認める。ホープフルSはフルゲート18頭立ての外を回す大外一気。当時はメンタル面の調整もうまくいき、性別を超えた性能が発揮された。「今回も先週あたりからいい方向になった。カイ食いも健康状態もいいので、今日は6ハロンからやろうということになりました」。年明け初戦が牡馬クラシックと壁は高いが、軌道に乗ってきた感がある。

ルメール騎手が先週のドバイ遠征時に落馬骨折し、鞍上は調整中。主戦不在の状況に陥っても、調整そのものは順調だ。76年ぶりの快挙達成へ、女王は歩みを止めない。【松田直樹】