ソウルラッシュ(牡6、池江)が重賞3勝目を挙げた。勝ち時計は1分32秒5。中団から上がり最速34秒6の脚で差し切り、2着セリフォスに1馬身4分の3差をつけた。代打騎乗に応えた団野大成騎手(23=斉藤崇)はJRA重賞8勝目。今後は3年連続となる6月2日東京の安田記念(G1、芝1600メートル)に挑み、念願のG1制覇を目指す。

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トレードマークの大きな流星が泥だらけになった。どんよりとした雨雲が低く広がる淀でも、ソウルラッシュの末脚は健在だった。

7枠14番からしっかりとスタートを決めた。トゥードジボンが引っ張るやや縦長の隊列の中団を追走。勢いをつけて直線に向くと、外から力強く加速。残り200メートルで先頭に立ってからは危なげなかった。

騎乗予定だった松山騎手は前日土曜に落馬負傷。団野騎手へ乗り替わりとなった。「しっかり結果を出さないと、と思っていましたし、まず何より松山さんの容体が心配です」。先輩のためにも、代打騎乗に応えることが使命だった。

土曜のうちに乗り替わりが発表され、本番までは時間があった。過去のレースを研究し、イメージを膨らませる。「この馬のリズムで走らせれば、結果はついてくると思っていた。ソラを使うところがあると聞いていましたが、その部分もなく、強かったです」。頼もしい騎乗で役割を果たしてみせた。池江師も代役の鞍上に信頼を寄せていた。「馬のことを研究しているジョッキーなのでね。ちょうどいいポジションについて、安心して見ていた」と振り返った。

勢い衰えない6歳馬。中間の追い切りでは、3週続けてCウッドでラスト1ハロン10秒台をマークしていた。池江師が「体形は“中年おやじ”みたいになっているけどね。調教はキレキレやったもんな。珍しい」と馬の若さに目を見張っていたほどだ。

次に挑むは安田記念。G1タイトルは目前に迫っている。「なんとかG1を取って、種牡馬にしてあげたい。(安田記念を)いい形で迎えられそうですね」。三度目の正直、求めるのはマイル王の座だけだ。【下村琴葉】

◆ソウルラッシュ▽父 ルーラーシップ▽母 エターナルブーケ(マンハッタンカフェ)▽牡6▽馬主 石川達絵▽調教師 池江泰寿(栗東)▽生産者 下河辺牧場(北海道日高町)▽戦績 19戦7勝(うち海外1戦0勝)▽総収得賞金 3億8484万500円(同3247万2500円)▽主な勝ち鞍 22年マイラーズC(G2)、23年京成杯AH(G3)▽馬名の由来 魂の突進