7冠馬キタサンブラックの半弟シュガークン(牡、清水久)が武豊騎手(55)に導かれて1番人気に応え、2着ショウナンラプンタ(牡、高野)とともにダービー切符を手に入れた。

2月の遅いデビューながら、シュガークンが一生に一度の大舞台に滑り込んだ。4戦全て手綱を取ってきた武豊騎手は「権利を1着で取ったので、楽しみだと思いますよ。これだけの血統なので、ダービーに出したいねとデビューの頃から言っていて何とか間に合った」と胸をなで下ろした。

パワーホールが大逃げを打つ展開を、中団のインで脚をためた。直線で力を解き放った。猛追するショウナンラプンタを頭差抑えてゴール。「しっかり折り合いがついて、追い出しての反応も良かった。レース自体、一戦ずつ上手になっている」と成長に目を細める。

9歳上の半兄キタサンブラックは遅咲きで、菊花賞を皮切りに7つのG1を手にした。3歳春はスプリングSを勝って皐月賞3着の後、ダービーは14着。「お兄さんはちょっと偉大すぎるんでね」。比較は避けたが1歩ずつ近づいている。

清水久師は「似ているところは多々あります。手が掛からないお利口さん。体力もかなりのものがある。お兄さんの分も上を狙わないと」。偉大なる兄の忘れ物を取りに行く5月26日。青葉賞馬は勝てないジンクスも破りに行く。【岡山俊明】

◆シュガークン ▽父 ドゥラメンテ▽母 シュガーハート(サクラバクシンオー)▽牡3▽馬主 辻子依旦▽調教師 清水久詞(栗東)▽生産者 ヤナガワ牧場(北海道日高町)▽戦績 4戦3勝▽総獲得賞金 7414万2000円▽馬名の由来 母名の一部+時(フィンランド語)