3番人気エンブロイダリー(森一)が1分32秒2のレースレコードで勝利した。

2番手から進め、最後の直線では追いすがる各馬を突き放し、後続に2馬身半差をつける快勝劇。昨年3月開業の森一誠調教師(47)はこれでJRA重賞2戦2勝。今後は馬の状態次第だが、3代母ビワハイジから続く名牝系出身の良血馬が牝馬クラシック戦線の有力候補に名乗りを上げた。

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速すぎた。エンブロイダリーは好発を決めるとすんなり2番手へ。前半3ハロン34秒2というよどみない流れも、ルメール騎手が「ペースが落ち着いて2番手を取れてうれしかった」と“錯覚”を起こすほどのスピードだった。最後の直線でも止まらない勝ち馬に他馬はついて行けない。レースレコードというおまけ付きの快速ぶりだった。

高い完成度に磨きがかかった。2走前の中山では、出遅れて5着に敗戦。その後1勝クラスを勝利後、ここまで待って調整をされた。森一師は「もともと高い完成度だったが、去年は周囲に影響を受けるところがあった。その点が修正され、安定して走れるようにステップアップできている」と成長を実感する。

今後は桜花賞(G1、芝1600メートル、4月13日=阪神)が視野に入るものの、「激しい競馬をしたので」と師は明言を避けた。この走りを見れば期待は高まる一方。距離についても「リズムよく運べれば2000メートルまでなら」と将来を見通す。3代母はダービーへ参戦したビワハイジ、祖母の半姉にG1・6勝の名牝ブエナビスタがいる血統背景は、輝かしい将来も感じさせる。名牝系出身の快速娘はまだまだ止まらない。【深田雄智】

◆エンブロイダリー ▽父 アドマイヤマーズ▽母 ロッテンマイヤー(クロフネ)▽牝3▽馬主 (有)シルクレーシング▽調教師 森一誠(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 5戦3勝▽総獲得賞金 5576万円▽馬名の由来 刺繍。母名より連想