さあ、桜の女王へ-。桜花賞(G1、芝1600メートル、13日=阪神)の最終追い切りが9日、東西トレセンで行われた。
調教深掘り企画「追い切りの番人」は大阪・ことは(下村琴葉)記者が務める。ブラウンラチェット(手塚久)は、前走の阪神JFで1番人気に推されながら16着に大敗。敗因を分析した陣営は、V字回復戴冠を狙って、栗東滞在や新たな馬具導入を決断。効果は明らかで、反撃態勢が整っている。枠順はきょう10日に確定する。
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ブラウンラチェットの真骨頂を-。最後の仕上げとなる最終追い切りは、前に僚馬を置く形で登坂し、馬なりで4ハロン54秒5-12秒6。ハロー前の荒れた馬場だったが、体幹がぶれることなく真っすぐと、軽やかなフットワークだった。手塚久師は「予定通りの時計。前走のダメージも抜けて順調にきている」とジャッジ。気配は上々だ。
前走は、真冬の淀にため息がもれる屈辱を味わった。昨年12月、京都開催だった阪神JFは、1番人気を背負い16着に大敗。その悔しさが今回への糧となる。「前走みたいに走らないことはないと思うよ」。トレーナーの言葉にリベンジの予感がにじんだ。
前走の敗因は明確だ。1つ目はアルテミスSの疲れが残っていたこと。短期放牧から帰ってきて10日での競馬だったため、やや急仕上げの部分があった。今回は美浦で2週前追い切りを行ってから栗東へ移動。Cウッド、坂路で順調に調整を積んでいる。
2つ目は馬体重がマイナス12キロと減っていたこと。長距離輸送があったうえに、一緒に京都遠征にきた土曜の出走馬が帰ってしまったことでカイバを全く食べなくなってしまったそうだ。今回は他に3頭の僚馬がともに滞在。大阪杯に出走したソールオリエンスも美浦に戻らず、隣の馬房で見守っていた。普段のカイバに加え、時間をずらして好物のにんじんを与えるなど、馬体維持に努めている。「今は440キロ台。見た目はふっくらしている」と及第点だ。
3つ目はレース前に不運が続いてしまったこと。ゲート裏でラチを蹴飛ばした馬がいて馬が硬直したそう。ゲートでは隣のクリノメイが暴れて外枠発走に。競馬直前のメンタルに影響があったことは否めない。今回は調教からコンプレッションフード(◆参照)を着用。イレ込みの軽減効果を見込んでいる。
半兄はサウジCを制し、先週ドバイワールドC3着のフォーエバーヤング。血統面の底力、そして2走前アルテミスSの切れ味を見ても、巻き返しがあっていい。担当する名畑助手も「背中はG1を意識できる馬。能力を発揮させてあげたい」と力を込めていた。逆襲へ向けて試行錯誤の期間を経て、万全の仕上がりで送り出す1冠目。今の状態をキープして桜の舞台に臨みたい。
◆コンプレッションフード コンプレッションの和訳は「圧迫する」。伸縮性がありピタッと密着するメンコだ。馬の顔の一部を圧迫して、集中力を高める効果があるとされている。
<手塚久師と一問一答>
-最終追い切りを見て
イメージとしては単走で。予定通り。こっちにきて落ち着いているし、見た目はふっくら。440キロ台で、前走よりかはプラスで出られそう。
-前走は
疲れが残っていたのが敗因かな。馬場が悪くてもこなせそうだったけど。仕切り直しですね。ダメージは抜けて(放牧から)帰ってきてからは順調。
-今回は馬具を工夫
イレ込まないように。スイッチが入るとひどくなるので。調教ではうまくいっている。競馬はメンコもつけて行く。
-レースの見通しを
2走前くらい走れれば。センスはある。当日輸送もいいのかなと思う。

