天皇賞・春(G1、芝3200メートル、4日=京都)の最終追い切りが4月30日、東西トレセンで行われた。
出走馬の調教過程を深堀りする「追い切りの番人」では、東京の舟元祐二記者がヘデントール(牡4、木村)を取り上げる。昨年の菊花賞2着馬で、今年初戦のダイヤモンドSを4馬身差でちぎったステイヤー界の新星の中間はまさに攻め馬。G1戴冠に向け、高い強度の負荷をかけられたことに注目した。
◇ ◇ ◇
「十分ですね」。出来の具合を問われた土田助手はうなずいた。レーン騎手が騎乗した最終追い切りは美浦ウッドで6ハロン85秒9-11秒4。時計は目立たないが、外からフレッチア(障害未勝利)、内からはセブンメデュラス(3歳未勝利)にプレッシャーを与えられる3頭併せで馬なりでの併入だった。木村厩舎として従来通りの調整で終えられたことが何よりだった。それは1、2週前の超絶追いとも言える高負荷調整で、息と体は出来上がっていたからだ。
まさに攻め馬。2週前追い切りでは同6ハロンで80秒6-11秒1の好時計で追われた。テンの速さ、しまいに仕掛けられてからの反応ともに良好だった。1週前にしっかり攻める厩舎だから、次週はどんな内容になるか興味が湧いたが、さすがだった。同6ハロンで77秒5-12秒0の猛時計をたたき出した。降り続く雨の中で馬場はやや重。見た目以上に重いチップをかき上げて走破していた。馬を攻め抜いている。従来以上のメニューを課され、鍛え上げられたヘデントールの回復度合いはどうかが気になった。最終追い切り後に同助手は「元々、心肺機能が強くて、しっかりやらないと負荷がかからない。先週1週間はこれ以上ないほど負荷をかけた。でもガタッと落ちないし、その週末もウッドや坂で乗れている。今週の火曜も坂路で2本を余裕のある中でやれている」。この馬だからこその強度を課し、それに応え続けているのがヘデントールだ。
だからこそ当週は感触を確かめる程度でいい。あとはレーン騎手に託す。実際に鞍上を背中に駆ける同馬には引き続き余裕があり、乗り切ったスピードはゴール板を過ぎてからも持続していた。同助手は「長くいい脚を使えるのがこの馬の武器。本番に向けてレーン騎手が感触をつかんでくれれば」。万全の状態で送り出し、あとは人馬が最高の結果を出す。木村厩舎の力量馬が今春もG1を盛り上げる。
◆ヘデントール(レーン騎手) 動きはすごく良かったです。すごくいい馬です。言うことない。VTRを見ていますが、すごくいいレースをしています。厩舎の人と話して、馬の特徴の理解を深めています。とてもいい馬で、見ての通り成長途中ですが、伸びしろがあります。またJRAで乗れるのを楽しみにしています。ファンの皆さんの応援を待っています。

