<BCクラシック>◇1日(日本時間2日朝)=デルマー◇G1◇ダート2000メートル◇3歳上◇出走9頭◇1着賞金364万ドル(約5億4600万円)
米国競馬の最高峰BCクラシック(G1、ダート2000メートル)で、フォーエバーヤング(牡4、矢作)が歴史的な勝利を収めた。
◇ ◇ ◇
「日本で結果を出してからにしろ」。4年前、師匠が言ったこの言葉が、弟子の騎手人生を変えた。
始まりは10年前。競馬学校生だった坂井少年は、ある目標を立てた。「5年目でG1を勝ち、10年目でトップへ」。実現のため、5年目までは騎手の土台作り、経験を積むことに注力した。2年目の秋から1年間のオーストラリア遠征、その後もサウジ、ドバイ滞在、フランスと海外で経験を積んだ。日本ではそこまで勝ち星が伸びないなか「また海外に行きたい」。21年に師匠へ相談した時に言われたのが、冒頭の言葉だった。
日本で結果を出す。22年から、とにかく勝つと意識を変えた。すると、JRAの勝ち星は21年の53勝から22年は98勝へ急増。同年に海外重賞、JRA・G1初制覇も飾った。師匠のあの言葉があったからこそ、今の活躍がある。
デビュー当初は毎日のように、調教、あいさつ、態度などあらゆることで怒られながら日々を過ごした。
「調教の時計が1秒でもずれたら怒られてました。もう毎日、夜も寝られないくらいでした。乗るのも怖かったです」
それでも師匠について行き、自厩舎馬でのJRA152勝(2日現在)をはじめ、地方&海外でも勝利を重ねた。そして今春、サウジCをフォーエバーヤングで勝ち、夢だった矢作師との海外G1制覇を飾った。
「先生の馬で海外G1を勝つことが最終目標みたいなところがあったんですけど、まだ勝ってないG1もありますし、日本馬初とか、そういうことを先生とできたら最高ですよね。この10年間、本当に迷惑をかけてきたので、残りの期間は恩返しする時間にしていきたいと思ってます」
日本馬で初めてBCクラシックを制覇した。またひとつ、恩返しができた。坂井騎手が見せた最高の騎乗。それは師匠への感謝の気持ちを体現していた。【中央競馬担当=藤本真育】

