「サウジにダートコースはない。あのダートは『茶色い芝』ですよ」
サウジC(G1、ダート1800メートル、14日)が開催されるキングアブドゥルアジーズ競馬場について、遠征経験のあるホースマンから興味深い指摘を聞いた。
その歴史を振り返ると、たしかに芝での活躍馬が好走している。ご存じパンサラッサ(23年1着)だけでなく、昨年2着ロマンチックウォリアー、21年1着ミシュリフ、20年2着ベンバトルはいずれも芝のトップホースだった。日本馬でいえば皐月賞馬ジオグリフも23年に4着と健闘している。
一方で、ダートの本場の米国馬は毎年、有力馬が出走しながら意外と苦戦していて、まだ2勝にとどまっている。第1回の20年勝ち馬ミッドナイトビズー(2位入線で繰り上がり1着)こそダートG1で5勝を挙げていたが、一昨年に制したセニョールバスカドールはG1未勝利馬だった。ダートでの実績が直結する馬場とはいえないだろう。だからこそ、フォーエバーヤングのすごさも際立つのだが…。
そんな中で浮上してくるのがサンライズジパングだ。ダートで重賞3勝に加え、芝でもホープフルS3着や有馬記念5着の実績を持つ“二刀流”。技術調教師時代に矢作厩舎のサウジアラビア遠征に同行した前川師も、可能性を見込んでの挑戦だ。
「芝ダート兼用の馬に向いている馬場だと思います」
転厩3戦目で状態も右肩上がり。「レースを使いながら筋肉がついてきました」と手応えを口にする。
もちろん、ダート世界最強馬フォーエバーヤングの壁はとてつもなく高い。とはいえ、キングアブドゥルアジーズのダートに地の利はありそうだ。現地取材で馬場の感触も確かめ、予想や馬券の検討に生かしたい。【太田尚樹】

