単勝1・7倍の1番人気に推されたジーティーマイカ(牝、前川)が勝利し、開業2年目の前川恭子調教師(49)がJRAの女性調教師として史上初の重賞制覇を挙げた。勝ち時計は1分19秒7。シスキン産駒にとってもJRA重賞初優勝となった。今後は12月13日の阪神JF(G1、芝1600メートル)を大目標とする。
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中京競馬場の検量室前に笑顔の輪ができた。厩舎の初タイトルをつかんだ前川師は「安藤さーん!」とジーティーマイカを担当する安藤助手を出迎え、厩舎スタッフ4人で抱き合った。「調教が良くて文句をつけるところがないくらい順調に来ていた。勝てるだろうと思っていたけど、本当に勝ててホッとしている」。指揮官は汗をぬぐいながら安堵(あんど)の表情を見せた。
距離延長となった今回は9頭立ての後方2番手からの追走となった。抜群の手応えで直線に向くと、他馬と脚色の差は歴然。上がり33秒0の末脚であっという間に、1馬身4分の3差で突き抜けた。「マイラーくらいなのかなと思っていたから1400メートルではこんな競馬になるかなと思っていた」と計算通りのレースだった。
前川師は24年に女性として初めてJRA調教師試験に合格し、25年に開業。初出走、初勝利、重賞初挑戦…、やることに全て“女性調教師初”の肩書がついた。この勝利が記念すべきJRA女性調教師史上初の重賞制覇。「走るのは私じゃないので関係ないけど、そういうことで注目してもらって、応援してもらっていてうれしい限り」。素直に喜ぶが、自身に特別な意識は何もない。ただスタッフ全員が楽しく、厩舎、馬作りに人生を捧げている。
騎乗した松山騎手はメモリアルに際して「そこで僕が騎乗させていただいたのもうれしい」と笑顔。「1週前、今週と調教をうまくしてもらって、今回もしっかり落ち着いて挑めた」と厩舎の仕上げに感謝した。
ひとつ勲章をつかみ、次に挑むはG1の舞台、阪神JF。前哨戦を使うかは今後相談される。「いい馬をたくさんやらせてもらっているし、オーナーに感謝。もっと頑張らないといけない」。性別は関係ない。いち調教師として、栄光を目指していく。【下村琴葉】
◆ジーティーマイカ ▽父 シスキン▽母 ベルカプリ(ダイワメジャー)▽牝2▽馬主 田畑利彦▽調教師 前川恭子(栗東)▽生産者 レイクヴィラファーム(北海道洞爺湖町)▽戦績 2戦2勝▽総獲得賞金 4211万5000円▽馬名の由来 冠名+花が舞う

