雨中の激闘を制した。2番人気ゾロアストロ(牡3、宮田)がG1馬5頭の豪華メンバー相手に、きさらぎ賞以来の重賞2勝目。同じ3歳馬ロデオドライブを頭差退けた。勝ち時計は1分59秒6。

春は鼻出血でダービーを回避。皐月賞12着以来、4カ月半ぶりの一戦で悔しさをばねにした。今後はクラシック路線ではなく、古馬相手の天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、11月1日=東京)が視野に入る。

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泥だらけのゾロアストロが歯を食いしばった。発走直前からシャワーのような雨。やや重発表以上にタフな馬場を考慮し、馬群は直線で内柵から10頭分以上外へ。中団追走からその最内を突いた。岩田望騎手の豪快なアクションに応える。残り200メートルすぎで左にヨレるがへこたれない。目いっぱいの走りで押し切った。鞍上は「内を突いた方が持ち味を生かせると。自分も馬もヘロヘロな中、無理をさせる形でも何とか勝ちきってくれたと思います」とねぎらった。

悔しさをばねにした。春はきさらぎ賞で重賞初制覇。皐月賞は12着に敗れ、ダービーでリベンジを誓った。だが、調整中に鼻出血。一世一代の大舞台を目前に逃した。それでも宮田師は「絶対に巻き返すんだと厩舎一丸でやってきました」と前を向いた。ひと夏を越え、心身ともに成長。1頭で走る際に集中力を欠く面があったが、この日は1頭になってからも粘り切れた。宮田師は「しのぎ切ってくれたこと自体が成長の証し」とうなずいた。

縁深い1勝でもある。祖母ナイトマジックの子グレートマジシャンも宮田師が管理。開業2年目の21年ダービーで4着となったが、翌年故障で安楽死。最後のレースが新潟だった。宮田師は「僕の中でグレートマジシャンは(自分の)定年に向けても一番思い入れのある馬。この血統で1つ重賞を勝てたことは本当にうれしいです。同じナイトマジックの血を受け継ぐ馬で、もう一つ大きなところを取れれば」と夢をつなぐ。 今後について宮田師は「ちょうど2カ月後くらいに2000メートルの同じようなコースで大きいレースがあるので、個人的にはそういうところに」と伝統のG1を意識。晴れ晴れとした秋の府中で飛躍を遂げる。【服部航大】

◆ゾロアストロ ▽父 モーリス▽母 アルミレーナ(ディープインパクト)▽牡3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 宮田敬介(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 7戦3勝▽総獲得賞金 1億1677万4000円▽主な勝ち鞍 26年きさらぎ賞(G3)▽馬名の由来 オペラの登場人物名。魔法使い