最終日のイタリア館。メーンストリートまで長蛇の列
最終日のイタリア館。メーンストリートまで長蛇の列

大健闘 来場者合計2150万人

 半年間に及ぶミラノ万博が10月31日で閉幕した。来場者の合計は2150万人。近年でもっとも成功したと言われる上海万博の7000万人には遠く及ばないものの「食がテーマ」という非常に限られたものとしては大健闘だったと言う声が多い。

 来場者のアンケートによる「好きな外国パビリオン」で日本館が21%とトップで、続き中国の9%、カザキスタンの8%と続いた。なんと万博全体の人気でもホスト国のイタリアの11%を上回る15%で日本館がトップだった。連日、長蛇の列で「10時間待ち」などという冗談としか思えぬ表示もされて、毎日のようにイタリアのメディアはその人気を報じていた。

日本館。時刻はまだ19時ですが巡回するのに一定の時間がかかるので早めに終了
日本館。時刻はまだ19時ですが巡回するのに一定の時間がかかるので早めに終了

東北復興を旗印に10大祭り

 運営面では、「ナショナルデー」と呼ばれる参加国にスポットをあてた日にちを設定。人気を博した。日本は東北復興を旗印に青森のねぶた祭り、仙台七夕まつり、福島のわらじまつりなど、10大祭りを一堂に集めてメーンストリートを踊り歩いた。

 開幕した5月31日には多くのパビリオンがまだ建設中で、不幸にも直前の4月末にネパール大地震が起こりネパール館は未完成のまま展示の代わりに募金箱が置かれていたのが、逆に人々の関心を集めることとなった。

ミラノ万博のロゴ入りTシャツは3枚10ユーロ、パーカーは3枚20ユーロ。最終日だけに投げ売り状態? 確かに安い
ミラノ万博のロゴ入りTシャツは3枚10ユーロ、パーカーは3枚20ユーロ。最終日だけに投げ売り状態? 確かに安い

お土産屋さんがバーゲン

 最終日、会場内で目を引いたのはお土産屋さんがバーゲンセールをしていたこと。万博のロゴが入ったTシャツは3枚で10ユーロ。その他、各パビリオンで時間を決めて配っていたノベルティーを来る人全員にプレゼントしていたところもあった。

 なお万博閉会後、コンサートなどを開催したオープンシアターや万博のシンボルだった生命の樹はそのまま同じ場所に保存される予定。ほかでは、モナコ館は西アフリカのブルキナファソ共和国の赤十字として、アゼルバイジャン館は本国の首都バクーにて生物多様性研究所として再利用が決まり、英国のNGO「セーブザチルドレン」の建物はシリア難民のための学校として利用されることになった。

シリア難民のための学校に

ブラジル館。パビリオンに入るためのこのネット状の上を歩いてみたい人の列…
ブラジル館。パビリオンに入るためのこのネット状の上を歩いてみたい人の列…

 また、ネット状の通路を歩く不思議体験が好評だったブラジル館はオークションに掛けられる予定だという。アミューズメントパークが買えば、引き続き人気アトラクションになると思う。

 追伸・ミラノ万博の取材については、日刊スポーツ新聞社のご協力でプレスパスが申請できたことに感謝をいたします。(イタリア・ミラノから新津隆夫。写真も)

晩春にはじまり晩秋に終わる。というわけで、木々の葉の色も…まつりの後の寂しさや
晩春にはじまり晩秋に終わる。というわけで、木々の葉の色も…まつりの後の寂しさや